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私が「日本の教育をアップデートする」道を選んだ理由

こんにちは。いのです。

社会人のキャリアは十数年。新卒でIT企業に入社し、未経験で四苦八苦した末に、そこでの学びを伝えるためにIT講師に転身しました。

実は昔から口下手で人見知りだったのですが、なぜか人に教えるということが面白くなり、現在もエンジニアをしつつメインは教育業と言い張っています。

さて、タイトルにあるとおり私は教育業として「日本の教育のアップデートする」道を選択し、36歳にして独立をしました。

フリーランスエンジニアになればいくらでも稼げそうな時代ではあるものの、そこではなく、日本の未来に危機感を感じてのことです。今回はその背景について書きたいと思います。

問題を問題と捉えることができないのが問題

前述のとおり、私は教育業として新入社員研修の講師を務めています。対象は主にIT企業の新入社員。毎年4月になるとリクルートスーツに身を包んだ若者たちにITとはなにか?エンジニアとはなにか?を語るわけです。

しかし、あることに気が付きました。講師のスタンスと受講生(新入社員)の温度感に圧倒的な違いがあるのです。

これは私だけではなく、講師仲間からもよく聞く話ですが、こちらが伝える内容が明らかに伝わっていない。もちろん講師の力量にもよるでしょうし、カリキュラムの難易度にも左右されることはもちろんのことですが、この違和感はもっと別のところにあるのではないかと思いました。ですが、最初はそれが何なのかが分からないまま、ガッチリ組まれたカリキュラムをひたすらにわかりやすく、ひたすら親身になって対応するので精一杯でした。

「何かが違う。」その違和感の答えはある研修を行っていた最中に出会いました。

従来の研修や講義と呼ばれるものは、講師が受講生に対して情報を伝えるのが主でしたが、その研修は、受講生に対して課題を与えるというもの。つまりアクティブラーニングと呼ばれる手法での研修を行ったときのことです。

この手法の場合、講義時間よりも実習時間の方が長くなります。講師は話す時間よりも受講生のサポートに回る時間がもちろん多くなるので、いつも以上に親身に対応できるのですが、、、

私「この変数の値ってどこにも使われてないよね?だったらこの変数は不要だから消した方が良いよ。」

受講生Aさん(以下Aさん)「え?なんでですか?」

私「不要な変数を残しておくと間違って使われるかもしれないし、そもそもとしてプログラムが見にくくなるでしょ?」

A「はい。でもそれはあとで誰かが直せばよくないですか?」

私「そういう考えもあるね。でも、直すのであればいま直してしまった方があとで直すよりも早いよね?」

A「え?自分が悪いんですか?」

・・・最初はAさんは全く理解をしてくれない人だし、私の伝え方も悪いのかな?といろいろ工夫をしてみました。ですが、Aさんの他にも同様のケースに遭遇することも多くなってきたのです。

特に私が担当するITの新入社員研修は、学生時代にプログラムやコンピューターサイエンスなどをやっていない、いわゆる「未経験者」を対象にしたものが多く、私も未経験者からのスタートなので、彼らへの伝え方も理解しているつもりでした。

ですが、このようなケースを経て気付かされたことがあります。

それは「彼らは目の前に起こっていることを問題として認識していないのでは?」ということでした。もちろん、そのような方たちばかりではないのも十分理解しているのですが、これが危機感のはじまりだったのです。

教育が通用しない時代

ここで少し話は変わるのですが、「教育」という言葉の定義をご存知でしょうか?

教育
人に教えてもらって知識を得たり、力を伸ばしてもらったりすること

言い換えると、講師(教師)からの一方通行による勉強と捉えられますね。これは決して間違いではない勉強方法ではありますが、教育は現代には効果が薄くなっているように思えます。

例えば、講師が小難しい話を延々としているのを集中して聞いていられる自信はありますでしょうか?これは講師をやっている身でも少々厳しいところがあります。。。

さて、話を先ほどのAさんの話に戻すのですが、結局のところ時間をかけて話をすることで私の想いが通じたAさんはその後も苦戦しながら研修を受講してくれました。

ではAさんのようなケースを通じて、教育の限界について考えてみたいと思います。

これまでの教育は講師(教師)からの一方通行によるものがほとんどでした。そしてそれがまかり通っていた(ように思える)時代があったから成立していたのではないかと考えます。

その時代こそが、産業革命以降の「物を作れば売れた時代」、「バブル」の時代までは、仕事も終身雇用があり、就職をすればあとは会社のレールに乗ってひたすらにタスクをこなす、社会人を育成する機関として学校という組織がありました。

学校では規律を守ること、勉強の仕方を教えることで、いわば「労働生産力」をゴールとするために教育という手段が使われていたという背景があるのです。

残念なことに私たちの世代以降は、その恩恵にあずかることはないまま、バブル崩壊、リーマンショックなどの影響を受けまくっています。そして現代は、「物を作っても売れない時代」だからこそ、「問題を見つけ出して解決」することに意味が出てきています。

これはもちろん私だけではなく、現在第一線で活躍されている方たち全員が思っていらっしゃることでしょう。

ですが、なかなか解決には至らず、更には情報化社会が追い打ちをかけます。「ググれ」ば情報が簡単に手に入る時代になったのですが、情報の真相を考えることができない人が増えているのです。それは、なぜか?受け身な状態だと、多すぎる情報をさばくことができないのです。

情報化社会に入り、インターネットが整備され、パソコンやスマートフォンが当たり前となった時代。私たちが触れる情報の量は、400〜500倍にも膨れ上がったと言われています。

この情報をさばくためには受動的ではなく能動的であるべきです。そのためにはこれまでの教えられるだけの「教育」に限界が来たと考えるべきでしょう。

解決策はタイムマシン?

私はこの教育に対して社会人向けの支援を行うことで変革できないものかと思って行動していました。

例えば、新人教育しかり、また、私はキャリアコンサルタントというキャリア形成の支援をする資格を持っています。なのでキャリアカウンセリングを行ったり、キャリアに関するセミナーを行うことで、社会人が人生を幸せに過ごせるような活動を行いました。

ですが、前述のとおり、問題を問題として認識できない問題が出てきてしまったのです。

それもそのはずで、例えばAさんは大卒の新入社員です。生まれてからこれまで20年以上も経っています。それまでに得た知識や経験を、新人研修(私の担当は1〜3ヶ月が相場)で補完するようなことはなかなか難しいことです。

もしかすると、右利きのあなたに「明日から左利きになってください」というレベルのことを強いているのかもしれません。

そこで思い立ったのが、過去に戻ることでした。

もちろんタイムマシンで、ではなく、社会人向けの支援は継続しつつ、幼少の教育から参入するという選択でした。

世の中では2020年度からの新しい学習指導要領に基づき、プログラミング教育が導入されるということもあり、教育にもITにも精通している私が参画するタイミングはここしかないと思ったのです。

ですが、事態は思っている以上に深刻でした。

2019年の上旬にプログラミング教育の導入状況のリサーチ結果を目の当たりにしたところ、導入は進んでいない状況。さらには、学校の先生たちは「ブラック残業」というフレーズが浸透してしまうくらいの過酷な労働状況(もちろん全てではないと思いますが)。

さらには、プログラミング教育バブルに乗っかれと、さまざまな教材やスクールが乱立してしまい、何が正解なのか?何がデファクトなのかもわからないカオス状態。。。

これには複数の問題が起因しています。ですが、いま議論すべきは、大人たちの事情ではなく、この教育を受けることになる子どもたちの将来です。

おそらく2020年度の学習指導要領はスタートダッシュに苦戦することは明らかです。ですが、その結果を批評したり、そこから再検討するのは遅すぎます。

そして、この子どもたちへの教育に対して保護者や地域の協力も必要だと考えています。

だからこそ、情報の発信をはじめました。教育のアップデートをして「教育を減らして学びを増やす」ことをはじめました。ちなみに、学び(学習)の定義は以下のようなものです。

学習
自分自身の経験などによって知識を得る意識的行動

私自信がプログラミング教育をやることも考えたのですが、結局のところ個人がゼロベースで始めるには遅すぎつつ、かつ、大手のスクールさんなど、素晴らしいカリキュラムを提供しているところがあるのも事実。私が参入する場所ではないと思っています。

とにかくどこに正解があるのかもわからない状況ですが、日々情報を発信しています。子どもたちが変わることを見守るのではなく、大人が意識を変えて子どもたちを支援する時代なのではという想いです。

そして、子どもたちは受動的から能動的に学び、自分の興味のある分野に強みを持ってほしい!そして自己肯定感を持った大人になってほしいと思っています!

【YouTube】お父さんお母さんが子どもの教育を見つめるイーテレ!
保護者向けに「お子様の教育」を認知してもらうためのチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCXwpchz8eFFouxD6wfKEpgQ/
【オウンドメディア】CAREER4 IT
保護者、教育者を対象に「みらいの教育」に関する情報を配信するメディア
https://www.career4it.jp

そして、その活動に注力したいので、IT研修講師の活動を減らしていこうと思っています。

IT研修講師のノウハウについては、このnoteに書いていきます。私がこれまで高評価を得た経験を書き残していきますので、絶対に有益になると思います。

ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします!(^^)

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