東レ(3402) 84点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
東レは1926年に設立され、1949年に上場した総合化学メーカーです。主力事業は繊維事業で、衣料や産業用途に広く展開しており、世界トップクラスのシェアを持つ炭素繊維複合材も強みです。さらに、機能化成品、電子材料、ライフサイエンス、環境エンジニアリング事業にも力を入れています。主な売上比率は、繊維40%、機能化成品36%、炭素繊維12%、環境エンジニアリング7%で、バランスの取れた事業ポートフォリオを持ちます。総合的に安定した事業基盤を持つため、長期的な株式投資に適しています。
2. 安定した成長の有無
東レの財務状況は健全で、自己資本比率は50.9%と高水準を維持しています。株主還元に関しては、安定した配当政策を実施しており、持続的な配当金の支払いを続けています。売上と利益においては一部の事業で増収傾向がありますが、炭素繊維事業やライフサイエンス事業の成長が鍵となるでしょう。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は2兆4,646億円、営業利益は576億円となっています。過去数年間の成長は緩やかですが、炭素繊維や繊維事業の成長が寄与しています。2025年3月期には売上高2兆7,000億円、純利益900億円を目標としており、今後の成長が期待されます。
4. 現在の株価
時価総額は約1兆2,143億円で、総資産は3兆5,960億円、自己資本は1兆8,315億円です。株価は2024年に高値816.8円、安値633円で推移しており、安定的に動いています。自己資本比率が高く、安定した財務基盤を持つ点は投資家にとって魅力的です。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは1,856億円と堅調で、投資キャッシュフローは-1,209億円、財務キャッシュフローは-703億円となっています。現金及び現金同等物は2,358億円を保持しており、十分な資金を確保しています。研究開発や設備投資も積極的に行われており、今後の成長につながる投資が行われています。
6. 配当性向
配当実績では、2022年3月期に16円、2023年3月期に18円、2024年3月期も18円が支払われています。今後も安定した配当が予測され、2025年3月期には19円の配当が見込まれています。長期的に安定した配当が期待でき、株主還元に積極的な姿勢が見られます。
7. 採点と解説
業績と財務: 16/20
財務健全性が高く、業績も安定していますが、成長の余地が大きい分野ではやや慎重な進展が見られます。株価の安定性: 15/20
株価は大きな変動が少なく、安定していますが、市場動向次第ではさらなる安定が期待されます。成長性: 17/20
炭素繊維や機能化成品など、成長分野での展開があり、今後の成長が見込まれます。業界地位と競争力: 18/20
繊維や炭素繊維複合材での世界的な地位は非常に高く、競争力が強い点が評価できます。配当性向と株主還元: 18/20
安定した配当政策が魅力であり、今後も株主還元に積極的な姿勢を示しています。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 84点
東レは、繊維、炭素繊維、機能化成品といった分野での強みがあり、安定した成長が期待される企業です。財務健全性も高く、安定した配当政策を行っており、長期的な投資先として評価できます。