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ISUMIオリジナル扇「桔梗ノ夢」

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仕舞扇「桔梗ノ夢」十松屋謹製

「桔梗ノ夢」(2022.5.8) 加筆修正

元記事:山田伊純 公式LINEブログより

ISUMIにて自身初めてのオリジナル商品を発売しました。商品名は「桔梗ノ夢」です。やはり私の本職は能楽師なので、一番初めにつくるオリジナル商品は能の道具にしたいと思いました。数ある道具のなかでも最も重要なものと言えば…そう、扇です。

このオリジナル扇「桔梗ノ夢」はお能の舞台や稽古はもちろん、能をやっていない方にも観賞用として飾っていただけるようなものをデザインしました。

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デザインについて

扇の地には、花色(はないろ)という青系色を選びました。これは平安時代以前からある伝統的な色です。当時は"はなだいろ"と呼ばれ親しまれていたようです。伝統色には本当に沢山の色があって、青は青でも微妙な色の違いでそれぞれ名称が異なります。その豊富な色の数々からも、日本人の感受性の豊かさを伺うことができます。

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花色の地に総柄で並べているものは桔梗紋です。桔梗は"吉が更(かさ)なる" という事から、とても縁起の良い花として知られています。小さな花をいくつも並べることにより、一見地味ですが主張のある模様にしました。また、見所などの遠くから見ると、数々の紋はしつこさがなく、波打つ大海原(生命の源)に見えるような仕掛けにしました。

「桔梗ノ夢」販売ページはこちら

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制作にあたって

扇の制作依頼は、所属する金剛流の長いお付き合いである、本家十松屋に致しました。私自身も個人的にお世話になっております。この十松屋のご主人である福井さんは、江戸時代から能楽の扇を専門に作られている伝統のある御家です。今もなお全五流派の扇や能楽中啓を手掛けています。

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現在17代当主の福井藤左衛門さんに直々にお願いして、ISUMIでの販売に至る経緯から、一から作りたい扇のイメージをご相談させて頂きました。デザインも私の雰囲気をお伝えすると、奥の箪笥や行李から古い時代の扇面をたくさん出して下さりました。それらの扇面から参考にできる色や柄の配置などを考えました。"地味やな"など率直な意見を伴った、ためになるアドバイスも色々と頂きまして、完成に至りました。福井さんのご協力にたいへん感謝申し上げます。

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能楽の仕舞扇は各流儀で少しずつ骨の形状が異なります。今回の販売では、観世流・宝生流・金春流・金剛流の4種類※の骨が対応可能ということで、全て受注生産となります。ご注文はネットショップ、ISUMI-山田伊純よろづや-にてお願い致します。福井さんが扇の骨を入れる作業があるため、お手元に届くまで最短で2週間、最長2カ月近く掛かりますのでご了承ください。

※別の種類の骨や扇面のみのご希望の場合は個別で対応可能です。お問合わせくださいませ。

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●商品のスペック
【商品名】桔梗ノ夢(十松屋特製仕舞扇)
【サイズ】約33cm(一尺一寸)
【色・柄】花色桔梗文(尺一寸花色地銀桔梗紋)
【素材】竹、和紙            【価格】12000円    

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