2024/05/27

こちら側のどこからでも切れます。頭の奥底で声が響いた。──本当か? 己にその資格があるか、試してみようじゃないか。指先に力を込める。ぐにゃりと歪むだけで傷一つ入らない。落ち着け、違う場所から攻めよう。……入った。切れた! 溢れ出した黒が熱湯を染める。俺は、最初から負けていたのだ。

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