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重ねて同じ意図を

「名を名乗れ」
おかしくはない。むしろ、わりと正しい。
でも字面が美しくない。音もいまいち好きじゃない。リズムはよい。
名と名が近すぎるせいで意味まで重複してる印象を与える、とかはどうでもいい、とにかく美しくないのが嫌だ。
「名乗れ」自体が限定的なシチュエーションで使われる言葉なので代替はなかなか難しかったりする。
むっ、何奴!

「犯罪を犯す」
随分前になるが、この言葉は表現として間違いではないというのを見てハッとした。
「犯罪」は違法で、「罪」は背信。感情とは一切関わりなく規定に反すれば「犯罪」だが、犯罪にあたらなくとも自分や他人の心次第で「罪」になる。
とても納得した。罪を犯すと犯罪を犯すでは意味が違う。確かに「犯罪を犯す」という言葉は成立している。
でも字面が美しくないんだよ。どうあがいても。見た目がよろしくないから使いたくない。

結局、重複表現の受け入れられる・られないの基準って聞き手読み手が引っかかるかどうかじゃないのかな。
美しいか美しくないかじゃないのかな。
だって重言でもなんでもなくても私は美しき青きドナウって表記を見るとウワー!
やめろ。美しく青きドナウでなければ美しくない。
でも音で聞く分にはうつくしきあおきドナウのほうが詩的な美しさがあるんだよなあ。
ちなみにどんな曲かは覚えてないし、たぶん特に好きな曲でもない。

「なんやおまえアホかボケ」
これは「なんやおまえ(疑念)→アホか(納得)→ボケ(罵倒)」ゆうことや。知らんけど。

「私はあとになって後悔した。」
字も音も気にならない。なんなら「私は後悔した」のほうが引っかかるかもしれない。さほど後悔してなさそうだから。軽くしたいならそれでいいが。
「私は後になって後悔した。」
うおお、気持ち悪い、ひらけ!!

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