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夏越の祓

先日は、廣峯神社さんで

『夏越の祓(なごしのはらい)』のご奉仕をさせて頂きました。

大祓(おおはらい)は、我々日本人の伝統的な考え方に基づくもので、常に清らかな気持ちで日々の生活にいそしむよう、自らの心身の穢れ(けがれ)、そのほか、災厄(さいやく)の原因となる諸々の罪・過ちを祓い清めることを目的としています。

この行事は、古事記、日本書紀の日本神話に見られる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらい)を起源とし、宮中(きゅうちゅう)においても、古くから大祓がおこなわれてきました。

中世以降、各神社で年中行事の一つとして普及し、現在では多くの神社の恒例式(こうれいしき)となっています。

年に二度おこなわれ、六月の大祓を夏越の祓(なごしのはらい)と呼びます。

大祓詞(おおはらえのことば)を唱え、人形(ひとがた:人の形に切った白紙)などを用いて、身についた半年間の穢れを祓い、無病息災を祈るため、茅(かや)や藁(わら)を束ねた茅の輪(ちのわ)を神前に立てて、

左・右・左と茅の輪を3回くぐる所作を行いますが、

その際、次の三つの唱え詞(となえことば)を唱えながら

くぐるとよいと云われています。

 

 

①左廻り

水無月の夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶと云うなり(みなづきの なごしのはらえするひとは ちとせのいのち のぶというなり)→【要旨】六月に夏越の大祓をした人は、寿命が千年にも延びると云われている。

 

②右廻り

思ふこと みな尽きねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓ひつるかな(おもうこと みなつきねとて あさのはを きりにきりても はらいつるかな)→【要旨】思い悩む事が全て無くなってしまうように祈りながら、麻の葉を切りに切って大祓をするのだ。

③左廻り

蘇民将来 蘇民将来(そみんしょうらい そみんしょうらい)→【要旨】「備後風土記」に書かれた「蘇民将来」の説話が由来となっている。

武塔神(スサノオノミコト)が南海にいた女神を訪れようとして、道に迷ってしまった時のこと。

旅の途中、蘇民将来と巨旦将来の二人の兄弟に、一夜の宿を頼んだ。

裕福だった弟の巨旦将来はこれを断り、貧しく粗末だったものの兄の蘇民将来は喜んで家に招いてもてなした。

武塔神は恩返しとして、蘇民将来に「茅の輪」のお守りを授け、蘇民将来一家の人々の腰に着けさせた。

すると、村に疫病が流行って、皆が死に絶えてしまったのに、蘇民将来一家だけが無事だった。

それ以来、茅の輪により疫病退散、無病患災になると云われている。

 

 

また、十二月の大祓は年越の祓とも呼ばれ、新たな年を迎えるために心身を清める祓いです。

私たちにとって、その年々の節目におこなわれる大祓は、罪や穢れを祓うとともに、自らを振り返るための機会としても、必要なことではないでしょうか。

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