コラム第8回:テーマ 現場の声が改善の力になる。導入企業の実例 Part1

コラム第8回:テーマ 現場の声が改善の力になる。導入企業の実例 Part1

Tetsuya Kimura

 サボりまくっている社長ブログです。コラム第7回の続きです。更新滞っておりすみません!!

当社のサービスを採用してくださっている実例の紹介として、前回は石川県庁の渡辺課長との対談の模様をまとめて掲載しました。今回と次回は、その石川県のプログラムに参加し、現場の改善とIoTを活用できる人材の育成にあたっている(株)小松電業所(石川県・小松市)の塚林幸作社長を加えた鼎談を通し、実際の利用状況や現場の皆さんの声など、より具体的な情報を紹介していきたいと思います。

【石川県の施策に手を挙げた小松電業所】

渡辺 県が展開している「石川県内企業のAIやIoT導入に向けた総合的支援」の第一回に参加くださった中の1社が、小松市に本社のある小松電業所さんでした。最初に、御社の事業内容などについて、少しご紹介いただけますか。

塚林 当社は1948年創業です。板金や電装組立からスタートし事業を拡充、建設機械・車両などを手掛けるコベルコ建機やコマツをはじめとする国内外の企業の製品のエンジンフードやサイドカバーといった外装部品、燃料タンクや運転席やヘッドガードといった運転席ユニットなど、マシンのあらゆる部分の製造を手掛けています。ここ小松市と栃木県小山市の国内拠点のほか、中国に4拠点を展開しています。

木村 IoTに取り組もうと思われた大きな理由は何でしたか。

塚林 世間でAIやIoTの話題が盛んになってきた頃、社内でも「そもそもIoTって何?」という話題がよく出るようになっていました。そんなおり、石川県庁の施策を知り、面白そうだなと思ったんです。その県のIoT実践道場などでiSTCさんの知見にふれ、3カ月間におよんだ道場の終了後もiSTCさんにコンサルを依頼させてもらうことにしました。

木村 当社のシステムに興味を持ってくださるお客さんは新しもの好きの方が多いんですが(笑)、IoT導入の施策を「面白そうだと思った」という塚林社長の言葉がそれを物語っていますね。

塚林 そもそもIoTは複雑で分かりづらかったりややこしかったりものではなく、当社のような製造業では、工程を見える化し、設 備が順調 に動いているかいないかを確認できれば十分機能するね、と社内で話していました。具体的にいうと、当社の場合、本社工場の塗装ラインは1ラインのみで、そこの稼働 状況が工場全体の 生産性 を決めるといっても過言ではありませんでした2017年に 塗装ラインのトラブルがあり納品期限 でご 迷惑 をかける事態もあったため、自社で改善に取り組んではいたんです。そして、その改善をさらにレベル アップするには、工程を見える化し、どこがボトルネックになっているかを把握する必要があると話していたところでした。ちょ うどそんな折りに県庁の施策を耳にして「狙っていることにつながりそうだ」と感じ、参加させてもらうことになりました。

渡辺 県の想定 として、「IoT導入をやってくれるなら歓迎 」という他力本願でお任せという企業ではなく、「自発 的・ 積極的に取り組みたい」という企業に施策に参加してもらえたらいいなと考えていました。その点、小松電業所さまはまさにぴったりのケースだと感じました。

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【見える化がつなげる、改善の連鎖】

木村 先ほど、当社のシステムを導入していただいている塗装ラインを拝見しました。ロボットなどによる自動化された工程ではなく、最初は実際に人が関わる工程の見える化に取り組まれたわけですね。

塚林 そうなんです。先ほど見ていただいたラインでは、機械の1サイクルに要するマシンタクトが2.3分。検査・手直し工程と塗装ラインの中のどちらかがネックになっていると思われるので、そこを改善するともう少し良くなって2分は目指せると感じています。

木村 いま、何分何秒とぱっとお 答えになりましたよね。そのことからも、システムを入れだけの「入れっぱなし」とは違って、 感度高く、しっかりシステムを活用し、社員の皆さんで数値 などの情報を共有 してくださっているのが分かります。1つの改善を発端に、例えば御社ならバフがけのツールの付け替えの手 順とか人の 動線 の見 直しとか、どんどん改善できるところがあると感じます。積極 的に取り組んでくださっている企業さんなので、順次改善されていくのだろうと頼もしく思います。

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【ハードとソフト両面の生産性を向上】
渡辺 3カ月にわたった県のIoT実践道場でも、思い入れをもって積極的に取り組んでいらしたのが印象に残っています。

塚林 製造業では、ラインが少し止まってしまう「チョコ停」や、30分〜2時間くらいドカンと止まってしまう「ドカ停」というのがあります。当社の場合はドカ停はなく、チョコ停が少しあるといったラインの状態でした。実践道場以前は、 止まる場所ごとでデータを 引っぱっていたんですが、そのデータはいわゆるバッチ処理データ。つまり、1日終わった時点でまとめて一回見られるといった、一定量・一定時間でバッチ処理したデータしか見られなかったわけです。

それがiSTCさんのシステムを導入して以降は、「どこでどのくらい止まったか」をリアルタイムで、それもスマホでも見られるようになり、いつでもどこででも、見たいときにチェックできるという改善につながりました。

また、バッチ処理したデータしかなかった当時は、データは現場の課長クラスだけがチェックするのが常でした。そこがガラス張りになり、データを見せたくないと思っても、パスワードを共有 している全員 が見られるようになったわけです。実際、出張中にスマホでチェ ックして気になり「ここ、ちょっとおかしいけど、どうなっている?」と会社に電話をかけたこともあります。現場としては見せたくないデータも隠せず(笑)、全部見えてしまうわけですね。それにより、いい意味での緊張感が現場に出てきたのを感じます。見える化は機械的な生産性だけでなく、人のやる気やモチベーションにもつながるのを実感しました。

木村 ハードはもちろんのこと、人の気持ちといったソフト面への影響が、最終的な生産性向上には必要ということですね。iSTCのシステムによる見える化が、その後押しになっているなら幸いです。

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(次回に続く)

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Tetsuya Kimura
i Smart Technologies・旭鉄工2社の代表取締役社長。 中小企業のIoT実践事例として著名。 東大→トヨタ→旭鉄工 著書「Small Factory 4.0」Amazonで販売中! https://www.amazon.co.jp/dp/486487865X