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「25年」たった25年?それとも25年も?と感じる人なのか?

少し前になります。2月に福岡へ行きました。
その時、絶対に行こうと思っていた「アクロス福岡」福岡県の施設と民間オフィススペース・商業施設とが同居した複合施設で1995年4月開業だそうです。竣工時の写真をもっていないので、ググると階段状になった大きなビルという印象です。中の空間も素敵ですが、私が見たかったのは外観でして、屋上緑化の計画を手掛けた田瀬理夫さんのおっしゃっる、都市の緑化に対して環境の再生、生物多様性を感じとりたいと思ったのでした。
福岡の天神という都会にできた山。芝生の広場からつながる風景。
25年という時を経て、見事に山になっていました。

建築の仕事をしていると、ほとんどの方が耐久性などを心配して、沢山質問いただきますが、答えに困るときがあるとしたら「それ、何年ぐらいもてばいいんでしょう?」10年、20年?
我が家は、地区15年以上たっていますが、一応、元気なら死ぬまでは住むつもりです。人生100年時代なら、まだ50年以上あります!すごーい(-_-;)
そう思ったときから、これは、人も、建物も時間の流れを大きく捉えようと決めました。
30歳から100歳まで、同じ家で暮らしてきた人って、いったいどれぐらいいるんだろう。うちの親でもまだ2-30年ぐらい、あの家で暮らすのか。
まぁ、あの家ならバルコニーからの雨漏りが大きくならなければ大丈夫そうな気もする。
話が脱線したけれど、もしかしたら建物は、人の人生より長生きするし、植物は間違いなく建物よりも、もっともっと長い。

その建物の中で生活する間に目にする暮らしや、手で触るものを「いま」という一瞬で区切って計画するのではなくて、長い長い人生を計画しよう!

と、思っています。当たり前に聞こえるけれど、結構、難しいことだと思いますよ。

話を、アクロス福岡に戻すと・・・
その計画たるや、優しさに溢れていて(と私は思っている)、福岡は水不足が心配な地域なのだそうで、ふつうは屋上緑化となると植物のために水をまかないといけなくなるのですが、それも自然の降水量と土壌の保水により保たれているそうです。

外から、この山の中を散策できるようになっていて、屋上まで歩くことができます。途中、鳥たちがたくさん近く飛んできては、大きな声で鳴きます。
こんな感じ↓60年で完成するイメージだそうです。

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こう大規模な建築についての難しい話は私もよくわからないけれど(笑)
当然、建物は数十年レベルで存在可能だとしたら、できてからは劣化し続けるのをひたすら見なくちゃいけないものより、一緒に朽ちて行き自然に飲み込まれる感じのが、しっくりきます。
地上には、なんと滝まで!

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当然、植物にしても、枝を払ったりが必要です。ノーメンテのものなんて、疑わしい言葉に惑わされたくないですね。
手間をかけている人は、そのものにたいして愛着をもっているし、魅力を感じています。ノーメンテのものは、そのうち愛でることもなくなり、いつしか埃をかぶって、いらないものに変わってしまうような気がします。

ああ、また暑苦しいことを言ってしまいました。

この写真、田瀬さんがイシハラスタイルに足を運んでくれた、なんて貴重な経験!私は、恐れ多くて、一緒に写真撮ってくださいと言えなかった(笑)

でも、田瀬さんの助言どおり、自宅に庭には在来種のどんぐりを拾ってきて、撒きましたよ。たぶん、生えてきてるのがそうだと思います・・・

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