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高い機材を買う理由④<オーディオインターフェース編>

パソコンと、マイクやスピーカーをつなぐための機材。
そんなものにお金をかけるなんて演奏家だけをやってたころだったら一切考えなかったです。たぶん、多くの演奏家にとって、この機材が1番わけわからないと思います。

「え?パソコンにイヤホンやマイクの端子がついてるじゃん?」

そう。私もそう思っておりました。楽譜作成はずっと昔からやってきましたが、もちろん音は本体に直に刺したイヤホンから。そのイヤホンも、ポータブルCDプレイヤーとかについていたものを差し替えて使っていました。

ところが、録音をするようになってマイクを挿す必要が出てきました。

マイクには大きく2つ。①ダイナミックマイクと②コンデンサーマイクがあり、より高音質に、より繊細に収録するには後者を使うことが多いです。

こまかいテクニカルな話は置いておきますが、後者のマイクは「ファンタム電源」というものが必要です。マイクに48Vもの高電圧をかけないと作動しないのです。

僕はライブでピンマイクを使っていたので、その辺はよくわかっていましたが、パソコンのイヤホンジャックではそのような大規模な機構は当然ありません。そして、スピーカーを別途用意してもイヤホンジャックから変換アダプタを用意して貧弱な音量のそれをスピーカにつながなくてはいけません。

パソコンからアナログではなくデジタルに出力した音、そして入力される音を一括に管理できる機材。それがオーディオインターフェースなのです。

もうこういう時代だから、備え付けてほしい人も多いかもしれませんね。

オーディオインターフェースに求めたもの。
それは、

①コンデンサーマイクが使えること
②モニタースピーカーに音を送れること
③ヘッドホンが6.3mmジャックで使えること
④パソコンにおける音の入出力問題を今後起こらないようにすること

この4点でした。
この点において質が良いか悪いか、値段が高いか安いかです。AD-DA変換やクロック、MIDI対応など細かいことは抜いて、僕がいままででどのように買ってきたかを書いていきます。

最初に買ったのは

PRESONUS  / Audiobox USB 96

たぶん96ではなくもっと前のモデルだった気がします。DAWは同社のStudio One3 Professionalを買っていたので親和性も高そう。という感じでこれで録音していろいろ試してました。

こおろぎさんとの交流で録音させてもらった際もこれにコンデンサーマイクAT4040をつけて内蔵電源で収録しました。

けして悪くない、と思うんですが、本気で録音していってみようと思ったときにこのままじゃまずいと思い、まずはファンタム電源を別に用意しました。

Grace design / m101

とにかく1チャンネル、高音質で収録するために買いました。これはマイクプリアンプと言ってオーディオインターフェースではないですが、より録り音を味付け無しにそのままデジタルに変換してくれるという、ヴァイオリン奏者としては価格帯・品質として十分な能力がありそうなので使用し始めました。

そして、インターフェースもプロが使うものを用意。

RME / Babyface Pro

これは大阪の梅田RockOnまで足を運んで(帰省のついでに)店員と話し合いまくって決めた品です。ヘッドホンもPresonusの安いものとは雲泥の差で、とても心地よく音を聴けるようになりました。ファンタム電源も使えるのですが、ゲインを上げるとノイズが結構早めに出てきてしまいます。マイクプリアンプm101をとおして使ってます。

いまでも使ってます。
RMEは長持ちする、ということをよく聞くのですが、5年間使ってきていまだに故障1つないのでいい買い物だったと思います。

収録業に慣れてくると、今度は多チャンネル録音に挑戦したくなってきたのですが、今のままだと同時収録には2chが限界ですし、そもそも高品位マイクプリが1つしかないです。そこでそこそこ高い8chのものを買いました。

Presonus / Studio192

これはネットで知り合ったとあるかたとの意見交換で決めました。
マイクプリも悪くなく、m101ほどとは言えませんが、味付けの無いすっきりとした音で複数の小アンサンブルを収録するために活躍しました。多チャンネルで使い易いのでライブでも使用しました。ですが、普段使いにはなりません。

単体の録り音の信頼度としてはBabyface+m101のほうが良かったからです。

収録するための防音室と、編集するためのPC部屋にRMEを動かしていてあまりよくないと思い、作業部屋では聞くための専用のインターフェースを導入してみました。

Grace design / m900

いわゆるモニターコントローラーです。
いろいろ面白い機能があったしコンパクトでよかったのですが、WindowsとMacでの接続などが意外にうまくいかなかったのと、次に買うことになったインターフェースですぐに不要になってしまいました。

Antelope / Discrete 8 Synergy Core

K氏に紹介され、R社で特別価格で購入することが出来ました。
とても良かったです。べつにマイクプリを通さなくても音がすごく良くてm101の使用の意味がなくなってしまいました。RMEは基本的にモニターコントローラーとしてPC作業部屋に据え置きになりました。多チャンネルなので外に録音に出かけたりも可能。ただ、操作・導入はこれまでのインターフェースの中で一番不親切なものでした。

録音専用となってしまいましたが、ヘッドホンアンプなども高品位なので本当は普段も使っていきたいところです。

迷走

オーディオインターフェースは見た目よりも能力や機能のほうが大事というのが僕の感覚ですね。普段目に入らなくても良いのですが、ちゃんとつながって、ちゃんと音が出て、ちゃんと音が収録されて、とても使い易い!っていう方が大事で見た目がカッコよくてもあんまり意味ないかもね(個人差)

高い方が確かに音が良いのですが、好みも多種多様だしとりあえず音の整理するだけなら安物でも構わないと思います。僕は制作におけるMIXなどではなく録音を主軸に考えてるのでそれを超える機材は逆にオーバースペックだし、作曲だとマイクと違って毎日必ず使うものになるので、接続とか変なところにいつも気を使わないといけないものだったら、耐久性がある方が良いのでは?と思います。

MIXやマスタリングはまた違った視点になると思います。
音作りの最終調整なので、もしかしたら1番値段の高い部類に入るのかもしれませんね。

それでは。


YAMAHA / AG06 【番外編】

ライブ配信用に買ったのですが、ちょっと個人的にはホワイトノイズが気になります。ただ、たぶん一般人にはわからないレベルかも。それ以外の機能はむちゃくちゃ使い易かったのでおすすめできます。製作レコーディング用途としては安物の部類には入りますが、何かあった時の代替機として保管していきます。最近では後継機モデルMK2が出てますので気になる方はチェックですね。

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