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無駄なのか、投資なのか

おはようございます。
なんか無駄にnote書くことが多くなってまいりました。
ヴァイオリン奏者の松本一策です。

昨晩、完全自主製作のヴィヴァルディ四季アルバムを出したのですが、
早くも「作っても無駄だったかもしれない(ぴえん)」精神と戦っています。

ヴィヴァルディ四季全曲

製作に6週間くらいかかった

他の業務と並行しているので、厳密な数字ではないですがだいたいこんな感じです。

収録内容
 Violin Solo
 ViolinⅠ 4トラック
 ViolinⅡ 4トラック
 Viola 3トラック
 Cello 2トラック
 Cello Solo 1トラック

打ち込み
 
Cello アンサンブル
 Bass アンサンブル
 Harpsicord 

  • ヴィヴァルディの春 全楽章(計11分)

    1. 収録の下準備、練習 1日

    2. 録音 2日

    3. 編集 2日(打ち込み、MIX)

約5日間、結構フルで作業してます。春夏秋冬ありますので、4倍の20日間。その後、全体を通してMIXとマスタリングで丸々2日くらいでしょうか。実質は朝から深夜までフルに働いて3週間の仕事内容です。

MIXも自分なりのノウハウを集めた総編集。
自分の出す素材を自分で編集して、勉強になります。

これはお金になるのか?

何故これを作ったかというと、CDアルバムではなくカラオケ音源をつくることが目的だったのです。四季シリーズは実際の演奏でも人気のある曲で、単独で演奏できるかなとカラオケ音源も市販のものを購入したのですが、テンポが遅すぎてストレスのたまるものでした。

市販のヴィヴァルディのカラオケ音源も持っているのですが、コンセプトが「プロよりむしろ愛好家のため」のため、遅いのです。それでも楽譜付きで当時(10年前?)7500円しました。海外からの輸入です。

そう、プロ奏者の演奏レベルのクラシックのカラオケ音源ってほとんど市販されていないのです。そもそも、個人使用で商売に使ってはいけないものが大半です。

音楽資産

実際に自分のカラオケ音源を使ってコンサートを1回だけ企画してますが、せいぜい2万円の収入見込みです。この製作期間と労力を考えると、2~30万円は得ないと元を取ることは出来ません。

ここが音楽家の難しいところで、一度作った音源は権利問題が解決していたらCD化することも販売することも簡単で、死ぬまで収益化に貢献できる素材になります。16bit 44.1kHzのCDが完全に消えた世界になっても、48kHz24bitのデータでもそれなりには戦っていける使えるでしょう。データを残しておけば、新たに3Dサウンドとしてもリミックスできるハズです。もちろん、演奏技術は常に保持しないといけないため、簡単ではないのですが・・・

ほかのマイナーな曲とくらべ、この「四季」は100年後も受け継がれていく博物館的なクラシック代表曲であることは間違いないでしょう。ですので、資産として出来る限りのクオリティで作っておくことに意味がある、と自分なりに言い聞かせてはあります。

要は死ぬまでの約40年の間に20万円の損失を取り戻せばいいのです・・・

なんて気の遠くなる話や。
年間5000円のサブスクのソフトウエアを作ったみたいな感じやろか。

CD化すると経費が5~10万円上乗せされてしまいますが、演奏活動の際に売ることが出来る可能性が非常に高いため、これはすぐにペイできます(見込み)

そういう長期で見た制作として成り立つわけです。
株式でいう投資と変わらないっすね・・・一種の博打です。

株と違うのは、ローコスト(身の回りにあるもので無から有にした)ので時間以外の損失が少ないところにあるところでしょうか?

ファンがいない。それが大問題。

若い女性の奏者だったらまだしも、40歳を過ぎたオッサンが作ったヴィヴァルディの四季なんて普通の人は一切興味が無いと思いますし、ぼくにはほとんどファンがいません。ましてやクラシックなんて若者を中心にわざわざ聴く人も少ないですし、聴きたかったら「イ・ムジチ合奏団」などでググって世界最高峰の演奏を1000円のCDで買ったほうがいい。ましてやサブスクでなんでも効ける時代ですからね。

つまり価値はここにしかないのです。

  1. 権利問題を解決した商用BGM音源としての価値

  2. 伴奏音源として個人的利用する価値(一部、プロ奏者にも共有見込み)

  3. 個人的な演奏活動に伴う販売物としての価値

  4. 録音のレファレンスとしての素材価値

  5. ノウハウとしての価値

これらをかけ合わせれば、死ぬまでに50万くらい稼いでくれないだろうか。

そういう感じですね。

作ってからが勝負

製作期間なんて、それを利用する人にとって見ればどうでもいいことなんです。ただ、同様の手順を踏む製作の場合はよい指標になります。作ったものをどう利用するかが、今後の課題ですね。

無駄にならないためにも、この努力の原石をうまく使っていきたいデス。

自分だけで作り上げる四季も珍しいと思いますし
ご興味がありましたら、ぜひどうぞ。

人によっては、「へぇー、宅録でもここまで音が混ざるんだ」とか
世界一流のCDと聞き比べて違いを楽しんだりできると思います。

ぜひ興味ある方はご購入ください。
クラシックの名曲ですが、僕の意欲作(笑)です。


それでは。


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