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【投資】トマ・ピケティの「21世紀の資本」を覚えていますか?

「21世紀の資本」は、フランスの経済学者であるトマ・ピケティの著書です。2013年にフランス語が公刊され、日本語版は2014年1月に第1刷が発行、5,500円と高価ではありましたが、世界的なベストセラーになりました。

ピケティの主張と反響

この著書でピケティは、長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きく、資本から得られる収益率が経済成長を上回れば上回るほど、それだけ富が資本家に蓄積され、そして、富が公平に再分配されないことによって、格差が拡大していくと主張。この格差を是正するために、累進課税の富裕税を世界的に導入することを提案しています。

日本語版は約600ページにもおよぶ大作でしたが、究極のところはr>g、資本収益率(r)が経済成長率(g)を上回る、r>gという不等式が成立すれば、格差が拡大する、ということを長々と書いているだけ…というのが、当時読んだ感想ではありましたが、持てる者と持たざる者、その格差に関する議論は、当時多くの共感を呼びました。

自分はどう受け止めたか?

あれからちょうど10年。当時自分はこの本を読んだ時にどう思ったか?まず最初に頭に浮かんだのが、"複利効果"でした。複利効果については、以前note("投資もキャリアも複利効果〜自然体だと格差は拡大")でも議論しています。

要は、複利効果によって格差は自然体で拡大していくということ。そして、同じ努力、同じリターンを得たとしても、出発点(高さ、そして早さ)が違えば、結局は差が拡大してくということ。その差を埋めようと思ったら、先行している人のリターンよりも高いリターンをあげていかないといけないこと。その辺りを議論しました。

r>gが成立するのか、そこは議論の余地があろうかと思います。ピケティは過去200年以上のデータを分析し、資本収益率(r)は年率5%程度、経済成長率(g)は年1〜2%程度として、r>gの不等式が成立しているとしています。そこに関しては反論している学者さんもいらっしゃるようですし、個人的にもその5%が正しいのかどうか、そこには興味がありません。

むしろこれを読んだ時に考えたのは、「一般論として、サラリーマンの今後の給与が上がっていく率は、株式投資から得られるリターンよりは低そうだな」ということ。したがって、個人がすべきこととしては「もっと投資をして、rの恩恵を受けられるようにしよう」と。まあもともと投資をしていたので、自身の投資を今後もどんどん進めていけばいいんだろうな、という確認になりました。

当時は、「富める者がますます富むのはけしからん」、「格差を是正すべき」という議論が多く(まあ、それが著者の主張ではあるので当然ですが)、r>gなんだから「投資をしよう!」という議論は(あったかもしれませんが)あまり盛り上がってませんでしたね。

あれから10年。日経平均はこの10年で年率約8%の上昇。累積でも約2倍になっています。もちろん今後のことはわかりませんが、引き続きr>gが成立しているならば(してると思ってますが)、ちゃんと投資を継続していく、あるいはまだ始めてない人は、早く始めることが大事だなと思ってます。

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