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患者さんのことを,自分ごとで考える

2日前に800段越えの階段を上りましたが,筋肉痛がきていないことに不安しか覚えない,本厄男のTOMMYです.

今日はドクターとして,患者さんの治療方針を決める上で大事にしていることを書きたいと思います.

松下幸之助さんは,社員に一人一人に「自分がこの会社の社長と思いながら行動するように」と伝えていたそうです.変化の激しいこの時代だと特に,与えられたことをこなすだけでは不十分で,"自分ごと"に落とし込んで考えて行動していく必要があると思います.

医療における"自分ごと"とは何かと考えた時に,やはり目の前の患者さんを家族のように考えるということだと思います.自分の家族だったらどういう治療を選択してほしいか.自分のおじいちゃんなら,はたしてこの延命措置は望んでいただろうか,など.

でも,出会ってはじめての患者さん全員に対して,最初から家族のように思うことって無理がありますよね.

僕はなるべく,目の前の患者さんの人となりを知るという意味でも,患者さんの情報をたくさん集めるようにしています.週末はお孫さんの世話に忙しいとか,主導権は奥さんが握っている,とか,そのような日常の話を聞くのが好きなのもありますが,患者さんの生活背景を知ることが大事だと思っています.なぜなら,目の前にいる患者さんは,自分と同じように家族がいて日常生活を送っている,と知ることが,患者さんに対して"自分ごと"で考えるきっかけになるからです.

「救急外来で来た患者さんを自分の家族だと思いなさい」

かつての研修医時代に,指導する先生からこう言われたことがありますが,"自分ごと"に落とし込んで,家族のように思うためには,患者さんの日常を知る必要があると思います.

そして,日常を知る中で,治療のヒントが隠れていることも少なくありません.どんなものを食べていて,どんな生活リズムかを知るだけで,糖尿病の食事療法などの栄養指導のヒントが見つけられることもあります.

"自分ごと"で考えながら,日々の診療に当たっていきたいものです.

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