ついにドクターズカフェ開催！！

昨日，ついに初めてのドクターズカフェを開催することができました．"ドクターズカフェ"とは，白衣を脱いだドクターとざっくばらんに雑談したり，医療相談ができる場所です．詳しくはこちら↓
#すぐに会える内科医 #今年のキーワード

僕が数年前から夢見ていた，このドクターズカフェですが，コワーキングスペース"みんなのハナレ"さんのご好意で開催させていただくことができました．

長屋をリノベーションした，めっちゃ素敵な場所！ゆったりした時間が流れて，何時間でもいれる快適な空間です．15時までの予定でしたが，17時過ぎまで長居させてもらいました．

"さとう珈琲"さんの美味しい珈琲をいただきながら，10時〜16時の間で"ドクターズカフェ"を開催させていただきました．6時間くらいぶっ続けでしゃべり倒しましたが，皆さんの反応が良くて，手応えがあり，需要もありそうだということがわかったので，あっという間に時間が過ぎました．

何よりもいろんな質問が飛び出してきて，「そんな角度からくるんや」とか「普段僕と話してる患者さんは，そんなことを感じていたのか」とか，自分の診察の反省もしつつ，勉強になることが多くて，ただただ楽しかったです．あとは，普段患者さんとして接するような方々の"生活背景"が見えたのも，すごくよかったです．

専門的な言葉を使わずにわかりやすく話すことの難しさ

雑談コーナーの前には，写真のように，あらかじめ作っておいた「栄養」についてのスライドをお見せしながら，「炭水化物とは」みたいな基本的な栄養の話をさせていただきました．

「たんぱく質をとり過ぎると腎臓が悪くなる」という話を伝えるために，このようなスライドを最初に作りました．

前日の夜に，ドヤ顔で妻（医療関係者ではない）に見てもらったところ，「グラフがいきなり出てきて情報が入ってこない」「ハザード比ってなに」「右下に文献が入っているとなんか身構える」など，ものすごいダメ出しをもらいました！！他のスライドしかり，でした．汗

たしかに〜!! ということで作り直したのがこのスライド．

めっちゃスッキリしましたね．
あとは口頭で伝えたらいいですもんね．

ちょっと話は逸れるかもしれませんが，「医者の常識は世間の非常識」と言われたりします．自分たちの専門知識は，目の前にいる人たちは一切知らないものと考えておくことが重要だとあらためて認識しました．

質問をもらって，それに対してわかりやすい言葉で，専門的な言葉を使わずに答えていくこと自体が，自分のトレーニングになると思いました．自分の知識のブラッシュアップという意味でも，この活動をこれからも続けていきたいと思いました．

これからのキーワードは，「小学校2年生の息子でもわかるように説明していく力を身につけること」です!!!!

質疑応答をする中で感じたこと

こられた方々の質問に答えていくうちに感じたことは，

普段の外来の中で，ここまでゆっくり患者さんと話したことはなかった

ということでした．「栄養」をテーマに，僕がスライド発表をした後には，たくさんの質問が飛び交いました．

例えば，「プロテインは飲んだほうがいいのか」とか「1日3食をきっちり食べた方がいいのか」とか「ケトン体ってなんですか」とか．

普段の診療では，例えば午前中の外来で3時間に30人近くの患者さんの予約が入っていて，そこまでゆっくり話はできません．栄養の話が出たら，「ここでは時間がなくてゆっくり話せないので，栄養士さんから話を聞いてくださいね」と言い出す始末．

これは病院にもよりますが，忙しい業務の中で，栄養士さんとの連携もあまり取れていないので，患者さんと栄養士さんの話した記録だけを見返しながら，"栄養指導"の内容を把握するのがせいぜいでした．

ということで，日々の自分の診療を反省する一方で，今回のドクターズカフェでは，一人一人と向き合いながら，それぞれの方の"生活背景"も把握しながら，いろいろな話をじっくりできたのが本当によかったです．

僕はもっと患者さんと話したかった

これまで6年間の医学部生活と研修医になってからの10年ちょっとのドクター生活の中で，日々勉強に励んできたのは，「目の前にいる患者さんの病気をよくしたい」という思いだけでした．

そして，忙しい外来診療の中で，一人一人の患者さんと向き合いきれていなかった自分がいたこと，さらには，その当初の目的さえも忘れかけていた自分がいたことを痛感しました．

そうです，僕はもっともっと患者さんと話がしたかったのです．自分がこれまで得た知識を，患者さんにたくさん還元すること．そして，患者さんの役に立つことが，僕も最もしたかったことだということに，今回のドクターズカフェを通じて，改めて気付かされました．

ということで，次回以降も定期的にドクターズカフェを開催していけたらと思います．

このような貴重な機会をいただいた，"みんなのハナレ"さんには感謝してもし尽くせません．僕の関わりが，地域の活性化や，地域の繋がりの一助となるのなら，こんなに嬉しいことはありません．これからもよろしくお願いします．