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美の標準 柳宗悦の眼による創作

2021年から2022年にかけて開かれた、東京国立近代美術館の「民藝の100年」を思い出しながら行ってきました。2022年1月10日〜3月20日、日本民藝館にて。

2階奥の大展示室を中心にした展示が「美の標準」展で、残りの部屋は併設展という位置づけのようです。
大展示室はまさに時代も地域も超えて、柳宗悦が見出した美のスタンダードを示す品々が並んでいました。景徳鎮の赤絵大皿の隣に、日本のどこの物とも知れない竹籠が違和感なく置かれていたり、片隅にはコプト裂やウィンザーチェアも。

併設展では、河井寛次郎の陶芸作品を多く見ることができ、練上手ねりあげで(色違いの粘土を練り合わせた縞模様)やイッチン文(どろどろの粘土を細い筒型から絞り出す)などによる高い装飾性に気づきました。
また、卵殻張りに螺鈿の羽団扇紋というハイカラな酒器は、江戸時代のものとは思えない斬新なデザイン。

そして「民藝の100年」展以来、気になってしかたない中国南北朝の拓本。100年展に出ていた、南朝・梁の武帝の事績を記す梁武事仏碑りょうぶじぶつひのほか、北斉・水牛山般若経、北魏・中岳嵩高霊廟碑ちゅうがくすうこうれいびょうひが展示されていました。どちらも素朴で力強い初期の楷書です。
帰りがけにミュージアムショップでちょっと手に取った図録にも、すごい隷書の拓本を見かけたのですが、記憶があやふやになってしまったので、また改めて調べてみます。

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