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橋本雅也 作品集出版記念展 間(あわい)なるもの

2022年4月9日~5月21日、ロンドンギャラリー白金にて開催。地下鉄などの駅からは遠い会場で、そこは正直不便でしたが、昔ながらの商店街など風情がある地域でした。

今回の個展を見るまでは、ただ白く静謐な花が鹿の角や骨でできているところに魅かれていましたが、意外と萎んだ花や枯れた草の作品が多いことに気づきました。橋本雅也さんが在廊されていたので、お話をうかがうことができました。

まず、鹿の角には彫刻に使えない髄の部分があるため、素材の限られた体積に収まるかたちを彫り出さなければならないそうです。そして、素材の色を生かしつつも、一部着色もしているとか。

実際に植物をいくつもアトリエに摘んできて、その総合的なイメージをかたちの制約の中で表現していくそうですが、当然、制作作業の間にも摘んできた植物は萎れていきますね。その萎れたイメージが反映されて、何とも一層儚げな、滅びを感じさせる作品ができあがるようです。水分を失いかけた花びらや葉はぺらぺらの極薄です。これを彫刻で表現するだけでも、大変な技術だと思いました。

白い彫刻の特徴として、光の明るさ・色合い・角度によって本当に表情が変わります。真上から照明に照らされた作品、窓からブラインド越しに自然光が当たる作品、床の間に飾られた作品など、本来モノトーンながら多彩な表情を見ることができました。

ソメイヨシノ
ラッパスイセン
チューリップ
ユリ
ギボウシ

記事タイトル画像は「ヤブツバキ」という作品です。帰りがけに、作品集を購入させていただきました。


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