![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/116714824/rectangle_large_type_2_49552f24d5242fbdcd9086e38b0b6bc4.jpeg?width=1200)
No,49.snsの炎上について
snsの炎上についてつらつらと書いてみる。
出来れば最後まで読んでいただけるとありがたいです。
背景
小さいころ親から言われたことがあるだろう「人は人、他所(よそ)は他所(よそ)」。
個人的には、家族ならお互いの人生を共有する要素が多いので「あ~だ、こ~だ」と言ってしまうが、
人生を共有にしていない他人については、関わる要素が少ないため、考え方や生き方については気にならない。
当然、会ったこともない有名人なら、なおさら気にならない。※ここでいう他人とは特定の個人のこと
プロレスラーだった木村花さんの自殺要因などもSNS炎上の話題がニュースやネットなどで報道された。
見えない人間、名のない(匿名)人間だけど、実在している不安からくる恐怖だろう。
先行研究レビュー
科学的知見から恣意的ではあるけど、「炎上に加担する人はどんな人?(属性:年齢や男女など)」についていろいろと調べてみた。
①炎上コメント数と書き込む人数の比較
土肥(2009)は、あるブログに700件のコメントが付いて炎上した際、IPアドレスを見たら4 人しか書き込んでいなかったと述べている
田中ら (2016)によると、インターネットユーザー全体に占める比率は0.0047%(10万人中5人)
大谷(2016)によると、過去1年に11件以上の炎上事件に書き 込みを行い,1つの事件当たり51回以上書き込むという炎上の「常連」は、前出の4万人調査では、わずか7名しかいなかっ たとされる。
山口(2015)炎上に加担したことのある、「1度書き 込んだことがある」「2度以上書き込んだことがある」 人は、19,992人中わずか303人(約1.5%)
②炎上に加担するひと
職付きと自営業主の炎上加担確率が高く、特に部長クラスで高い(大谷,2016)。
「年収が多く、ラジオやソーシャルメディアをよく利用し、掲示板に書き込む、インターネット上でいやな思いをしたことがあり、非難しあっても良いと考えている、若い子持ちの男性」(田中ら,2016)
ネットのヘビーユーザーや年収は関係ない、炎上加担者はインターネットヘビーユーザで貧しいといった一般的なイメージは、実情とは異なることが確認された(山口,2015)
③なぜ書き込むのか?
加担の動機は「楽しいから」というものは20%程度で、むしろ許せなかった・失望したなどの「正義感」が70%程度で、「ずるいやつがのさばるのが世の中だ」 (86%),「罪を犯した人は世の表舞台から退場すべき だ」(71%),「努力は報われない」(71%),「世の中は根本的に間違っている」(57%),「自分は周りの人 に理解されていない」(57%)といった意識から書き込みを頻繁におこなう(大谷,2016)
まとめ
①炎上さす人数は非常に少ない。少数が多数のコメントを書いているのに過ぎないが、投稿されるコメント数が多いため、多くの人が炎上させていると錯覚に陥る。
②年収が多く、年齢層が高い人が何度も投稿し誹謗・中傷を繰り返す傾向にあるが検証は一貫していない。
③正義感だが、悲しいかな実情は間主観的確信(本人が勝手に思っていること)から抜け出せていないので、超少数派ってことが統計上わかる。
おわりに
誹謗中傷を書き込んでいる人は、かなり少数のルサンチマンっぽい歪んだ人格者であることは検証されている。
問題をややこしくしているのは、少数の人間が多数の誹謗中傷コメントを多数書き込んでいる点にあるだろう。
冷静になり誹謗中傷コメントはそんな人が書き込んでいることを理解し、冷ややかに同情してあげるのが賢い選択かもしれません。
とはいえ理屈ではそうであっても、誹謗中傷コメントは誰でも傷つく。
ほんと本人が面白くないからといって同じ気持ちに巻き込むなと思います!
参考文献
大谷 卓史(2016)「過去からのメディア論 炎上とマスメディア:最近の定量的研究を読み解く」『情報管理』第59巻、第6号、pp.408-413
田中辰雄・山口真一(2016)『ネット炎上の研究』勁草書房
土肥義則(2009)「なぜブログは炎上するのか? “嫌いな 人が好き”の論理」『ITmediaビジネスONLINE』、 http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/27/news 008.html
山口 真一(2015)「実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証」『情報通信学会誌』 第33巻、第2号pp.53-65
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?