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No,39.影響力の武器ー返報性についてー
社会心理学では避けて通れない本についてつらつらと書いてみる。
背景
ちなみに今から話す内容って、わざと返報性を使う人の場合が前提なんで、親子関係や友人関係などの共同的関係は当てはまらないのであしからず。
※返報性とは、人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです。
※共同的関係とは、相手が必要とするものを必要な時に喜んで助けたり、与えたりしようとする関係性のこと。
「恩を受けたら、恩を返す」これはある意味当たり前のことなんだけど、こういった行為を社会心理学では返報性または返報性の法則っていう。
恩の度合いにはよるけど、恩を受けて返さないと、「たかり屋」「恩知らず」と言われかねない。
一般的に、この返報性は人間社会のルールとして教育みたいに教えられているようなものなんだけど、世の中には、この返報性の法則を意図的(わざと)やる人がいる。
実験
心理学者のデニス・リーガンはある実験をした。
「美術鑑賞」という名目で、2人(AさんとBさん)に作品評価をしてもらった。実はこの内1人はリーガンの助手(Bさん)で実験者側だった。
実験内容は、2つの異なった方法によって検証している。
● 1つ目はAさん(参加者)に小さな親切をする。作品評価の休憩中にBさん(実験者)がコカ・コーラを買ってきて 「君の分も買ってきたよ」と手渡す。
● 2つ目は何もしない。
作品評価が終わって、Bさん(実験者)はAさん(参加者)に「いま新車のあたるくじ付きチケットを売ってるんだけど、何枚か買ってほしい、何枚でもいいんで、もちろん多く買ってくれたらいんだけど」と頼みごとをする。
結果は、1つ目の親切にされた実験の方が、2つ目の何もしなかった実験より2倍のチケットを買った。
さらに、この実験では好意があったかどうかも検証しているけど、Aさん(参加者)はBさん(実験者)に対して特別な好感(好きか嫌いか)があったわけでもなく、単にコーラをもらった「借りを返さなけらば」といった義務感からチケットを購入した。
この実験が行われたのは1960年代。コーラ1本が10セントだった時代に1枚10セントのチケットを買った人は平均2枚で中には5枚買った人もいる。
金額に換算すると5倍の恩を返したことになる。
大した金額ではなく、欲しくない高額な商品(変な壺)や労力を返すといった過大な場合も出てくる。
実社会に陥れると
このケースは世の中にはよくある話で、
例えば、試供品。
結局、試供品の先には返報性が働いて商品を購入、結局は無料ではないってことになる。
返報性の法則は、悪用されやすい特徴があると言われているので注意が必要ってことです。
なぜ?
なんで恩を受けたら返そうと思うのか?
恩を受けたままだと不愉快な気持ちのままなので、この不愉快な荷物を早く下ろしたいと思うし、
社会生活では人間関係が重要であるため、恩を受けたことを無視すれば、お互にお返しする、されるといった鎖のようなものが断ち切られるので、相手との関係を維持するため。
①「受けた恩は返しなさい」みたいに、人間関係において恩を返さないのは、望ましいことじゃないと子供の時から訓練されている。
②加えて、受けた恩を無視する人は集団の中で嫌われる傾向にある。
つまり、①恩を受けたままの不愉快さと②集団からの目の2つが合わさったときにすごく心理的にきつい状態が続く。
だからこそ場合によっては、受けた以上のものを返そうとする不利益さにつながる。
ここまでをまとめると、相手が見知らぬ人でも、嫌いな人でも、最初にその人から親切にされたら、1つくらいなら返していいかなという気持ちになる(要求に応じる)。
防御策
返報性の法則の最初の段階で、意味のない恩は受けない貰わないことが前提。
でも相手の好意だった場合は(わからない場合が多い)、人間関係が崩れる可能性があるので、受け取ってもお返しをする義務がることを心に留めておいて、次に来る恩とは切り離しておく。
好意ではない何らかの意図があるのがわかった場合は、こちらも同じ返報性の法則を使う。
まぁなんにしても、世の中持ちつ持たれつだから好意を疑うのも問題だけどね。
やはり、中庸の徳です!
最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)
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