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No,44.成功するカギは努力なの?才能なの?GRIT

根性は才能を超えることが出来るのか?についてつらつら書いてみる。


才能と努力

近年、Duckworth, Peterson, Matthews,& Kelly(2007)が定義した【Grit:グリット】という概念が注目を浴びていて、日本でも2019年に竹橋ら(2019)が論文を出している。

Gritとは、「困難,失敗,競合目標にもかかわらず,長期目標に対して示す「情熱」と「粘り強さ」である(Eskreis-Winkler, Gross, & Duckworth, 2016)。

少し専門的に言えば、

グリットは情熱や粘り強さという非認知的な動機づけ的特性であり、才能とは異なるもので,両者は無相関であるか,弱い負の相関関係がみられる(Duckworth et al., 2007)。

つまり、「才能」と「情熱・粘り強さ」は関係ないということ。

関係がないので、情熱や粘り強さが、才能のある人を凌駕する可能性があるってことだろうね。

スポーツの世界でも、学問の世界でも、仕事でも、音楽でも、はたまたコミュニケーションでも、「あいつは、もっているとか、センスがあるとか、素質がある」とか言うけど・・・怪しいものだなと。

才能と遺伝

才能を遺伝と位置付けてみると、情熱や粘り強さは環境(グリット)ともいえる。

つまり、遺伝が才能ならば双子は同じ才能を持っているはず。

双子については多くの研究があって、その中でも一卵生双生児を対象とした研究を少し紹介。

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一卵生双生児の女性を対象の研究で、アルコールを飲む量について紹介されている。

それによると、

●「遺伝要因」つまり遺伝

影響割合は、21% 

●「共有環境要因」つまり、親などの共有スペースで家庭など(プライベートの場)

影響割合は、39% 

●「非共有環境要因」つまり、友達や学校生活などの家庭以外の場(公的な場)

影響割合は、40% 

となっている。

日常生活で感じている親子の類似性(似ている部分)は、大まかにいうと遺伝要因(21%)と共有環境要因(39%)の和であるから、

例えば『A さんが飲んだくれなのは家系だ!』という印象は、 21% + 39%=60% ということになる。

しかし、遺伝によって規定されているのはわずかに21% であり、

酒飲みの家族から隔離したり「共有環境要因」39% 、禁アルコール教育をする「非共有環境要因」40% をすれば、79% 。

結論

結果から見たら、遺伝的要因(才能)と環境要因(グリット)は「 両手を打ち合ったとき右の手が鳴ったか左の手が鳴ったか(Bischof ,1954)」 を問うようなものだけど、才能が高かろうが低かろうが目的にに近づけるには「情熱・粘り強さ(Grit)」が必要といえるんだなと。




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