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No,104.格闘技の心技体「格闘技で勝つには練習だけでは勝てない理由についての考察(マインドフルネス)」

マインドフルネスと格闘技の関係についてつらつらと書いてみる。

マインドフルネスは、あのDaiGo氏も実践しているみたいですね。

※ダイゴといったらメンタリストDaiGoより、中広大悟を思い出すが・・・



背景

「練習では強いのに、本番では実力を発揮できず勝てない」

原因はさまざまだけど、1つに冷静さを失っていつもどおりのパフォーマンスが発揮できないことが考えられる。

勝負に勝つには、落ち着き払って勝利(目標)への感情や感覚(注意)を維持し、劣勢になっても冷静にすぐさま勝利(目標)へと気持ちを引き戻すことが求められる。👇

原文:落ち着き払って目標への注意を維持し,注意がそれてもすぐさま目標へと注意を引き戻すことが求められる(Ricard, 2009)。

Ricard, 2009

これはマインドフルネススキルによって達成される過程である、と言われている(Ricard, 2009)。

マインドフルネスの定義は「今ここでの経験に,評価や判断を加えることなく能動的な注意を向けること」(Kabat-Zinn, 2003)。

つまり、ひとは無意識に昔のことやこの先のこと、日常の出来事など思い浮かべる。その意味などは考えずに(不安や後悔の念)そういったこと(思い浮かべている自分)を客観的に捉え、意識するってことです。

少しややこしいですが実践あるのみなので、次の章でやり方の紹介をします。

興味がある方はぜひやってみてください。

ちなみに、あのGoogleも取り入れているみたいです。


マインドフルネスとは

やり方はこちらへ👇

マインドフルネスの効果を扱った臨床研究も多く、慢性的な痛み、うつ病、摂食障害、がん、喫煙などの生活習慣といった、様々な領域においてその有用性が認められているようです(春木他,2008)。

マインドフルネスと格闘技


マインドフルネスのスキルには「感情に反応しない」また「動揺しない」といった側面があり(Sugiura, Sato, Ito, & Murakami,2011)、他のスポーツと違い「殴る・蹴る・極める」といった格闘技には必要なスキルだろうね。

実際に、坐禅や瞑想訓練によってこのスキルを高め、大量殺人へと利用したテロリストや犯罪者らの証言が紹介されている(Purser, 2019)。

最後に


プロ格闘家であれアマチュアであれ、試合を離れれば一般的な生活をおくる社会の一員。

人を思いやる気持ちがないひと(弱い人や傷つきやすい人に対する配慮が低い)で、マインドフルネスが高い(感情に左右されず、動揺しない)ひとほど暴力によって有利に問題解決できると思っているので要注意です(砂田・杉浦、2021)。

以前分析した結果でも、格闘技未経験者より格闘技経験者の方が身体的攻撃性(蹴る殴る)は高いことが示されているので(私、2020)、格闘技をするひとこそマインドフルネスと倫理観を同時に高めることが重要だろうね!

キャプチャ

(t(118)=3.72,p<.01)

まさに

◉心(こころ)倫理観やマインドフルネス

◉技(ぎじゅつ)

◉体(からだ)

「心」×「技」×「体」=最大限のパフォーマンスだろう!

最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)

引用文献

春木 豊・石川 利江・河野 梨香・松田 与理子(2008)「マインドフルネスに基づくストレス低減プログラム―健康心理学への応用―」『健康心理学研究』第21、pp57–67

Kabat-Zinn, J.(2003).Mindfulness-based interventions in context: Past, Present, and future. Clinical Psychology: Science and Practice, 10, 144–156.

Purser, R. (2019). McMindfulness: How mindfulness became the new capitalist spirituality. London: Repeater Books.

Sugiura, Y., Sato, A., Ito, Y., & Murakami, H. (2011) Development and validation of the Japanese version of the five facet mindfulness questionnaire.
Mindfulness, 12(3), 85–94.

砂田安秀・杉浦義典(2021)「マインドフルネスは有害な行動にむすびつくか?―マインドフルネスと能動的攻撃の関連に対する危害/ケアの調整効果」『パーソナリティ研究』第30巻、第1号、pp1–11

私(2015)👇


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