3.2 土地選びで重要なのは、価格、立地、地形の3つ

土地の価値算定は単なる坪単価だけで決まるものではありません。価格の他に、立地、地形の3つが重要なポイントになります。これらにより建築プランが大きく変わるため、土地の本当の価値にはこの3つで見極めます。逆にこれさえしっかり考慮すれば、7~8割の確率で投資の成否が決まると言っても過言ではありません。

(1)価格:まず坪単価・利回り取引事例を調べて、土地の相場価格から妥当性を検証します。次に、積算法、収益還元法で賃貸の収支計画から逆算して土地の価格。ここで注意したいのは、土地の価格検証に地盤の強度、杭コストも考慮して試算することが必要です

(2)立地: 駅からの距離、駅の乗降人数。都市計画による容積率、建蔽率、高さ制限の有無を調べます。また、近隣の周辺環境も利便性に関わってきます。競合マンションの供給戸数、コンビニ、病院、学校などの調査が必要です。

(3) 地形:建築費及び建築ボリュームを左右するため、地形、道路付け、道路幅員も土地の価値を決める重要な要素になります。加えて、高低差、崖・セットバックなどの有無も建築プランに大きく影響します。 地形が悪いと、競売にかけた場合、変形地だと売れにくいのが欠点です。

2. 開発型投資のステップ
開発型不動産投資を行う場合、まずはどこにどんな物件をどのような収支で建てるかという「企画」がすべての始まりになります。中古のようにすでに建物が建っているわけではありませんので、存在するものを評価するのではなく、自らが収益性のある物件をどのように建てるのかを立案するのです。その後は、企画段階で計画した内容に基づき、土地の購入、設計/建築、賃貸/管理、売却を経て、一連の不動産投資が完了することになります。
①企画→②土地の購入→③設計/建築→④賃貸/管理→⑤売却

開発型不動産投資の成功の鍵は企画段階です。したがって、企画はその後のすべてのプロセスの要諦となる最も重要な位置づけであり、この企画でお粗末なプランを立ててしまうと、たとえその後のプロセスで如何に優れたパフォーマンスを発揮できたとしても、企画の失敗をリカバリするのは並大抵の努力では済みません。 たとえば、企画段階で決定したエリアで土地を格安で購入できたとしても、そもそも賃貸需要が低いエリアだったとしたら、賃貸付けの段階では、自ら積極的に動いても様々な空室対策を施したとしても、どうにもならないかもしれません。 また、仮に土地選定は正解だったとしても、建て方や物件コンセプトが間違ってしまえば、やはりそのしわ寄せが、後工程である賃貸や売却に大きな悪影響を及ぼしてしまうことでしょう。 このように、最初の企画の成否がその後の賃貸経営の行く末を大きく左右するため、新築不動産投資の成功の鍵は企画段階にあるといえるのです。「次世代不動産投資」はまさにこの企画段階に注力して最強物件を創り上げる投資法です。このため、本書では、この企画段階をさらに詳細なプロセスに分解して、各プロセスおける具体的なタスクや行動指針について詳述していきます。

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