4.5 建築費を左右する杭のコスト構造

土地活用の収支を考える際、本来であれば、一種単価だけでなく地盤コストも考慮されるべきですが、販売価格に反映されることはありません。地盤を含めた総費用で、城東と城西エリアのサンプルを比較してみました。※東京都土木技術支援・人材育成センターで公開されている土質形状図から杭工事コストを想定

(台東区)
 土地価格  9,000万
 土地面積  25坪 / 500% 
 土地単価  72万 / 種
 杭工事   1500万
 杭工事単価 12.5万

 (新宿区)

 土地+杭工事 = 84.5万
 土地価格  9,000万
 土地面積   30坪 / 400% 
 土地単価  75万 / 種
 杭工事    300万
 杭工事単価   3万

 土地+杭工事 = 78万
こうして比較すると、圧倒的に新宿の方が割安であることが分かります。

一概に杭工事といっても、いろんな工法があり、期間や工法によって値段が全然違います。杭コストに影響するのは大きく分けて4つです。

杭工事の見積り基準
1). 敷地条件の設定 (土地の広さ、搬入ルート)
2). 杭配置の設定(杭本数)
3). ボーリング図の設定(日数、人工)
4). 杭の工法、仕様の設定

支持層までの距離、地盤の固さだけでなく、狭小の土地や道路付が悪いと更に工事コストが嵩みます。杭の種類は、構造計算上、PC杭という現場で造る杭になるか、鋼管杭という既製の杭で対応できるかによっても、大きく違います。他の要因として、ゼネコンの実績取引件数も影響します。取引が少ないゼネコンは、交渉力がないため、取引が多いゼネコンに比べ、コストが高くつきます。過去に見積りした例で、30坪弱の土地を2社違うゼネコンに依頼して、1000万ほど違ったこともありましたが、杭工事の専門工事業者によって変わります。業者丸投げではなく、建設の基礎は知っておくべきです。

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