見出し画像

熱中症から学ぶ生理学

口が開いてきたら熱中症に警戒!

体に熱がこもってくると、呼気で深部体温を排泄します。
犬と同じです。
口が開き、吐く息の音が増し、思考力が低下していくなら、早く冷房のあるところへ避難すべきです。
口を開けて冷たい空気を吸うと、肺の毛細血管で血液が冷却され、深部体温が下がっていきます。


以下、より体感を目指す生理学として、、、

体温排泄が優先されると、吸気不足となり、自ずと酸素不足となります。
一般的に「酸欠でぼーっとする」と言いますが、実のところ哺乳類の酸欠感受性はほとんどあてになりません。生理機構としては、酸欠よりも、血中二酸化炭素過多に敏感なのです。

熱中症で「はぁはぁ」と吐きばかりになると、血中二酸化炭素はどんどん減少します。
このとき、酸素不足に陥っていても気づくことはありません。
これを利用したのが素潜りのジャック・マイヨールです。

マイヨールは潜る前に断続的に沢山息を吐くことで、息苦しさから開放されることを見つけました。
私の記憶では、ヨガの呼吸法から会得したことになってますが、もしかすると違うかもしれません。
この二酸化炭素を積極的に吐き出す方法は、素潜り記録を格段に更新しましたが、実践する人が増えて、失神する人も増えました。

聞いた話では、全身麻酔から目覚める時に二酸化炭素を吸わせるそうです。生理機構が分かっていると、面白い話に聞こえます。


熱中症は気づいたときにはもう遅い、と言いますか、気づかないから困ります。
人間の酸欠感受性が高ければ、もう少し事情が違うと思います。

他の要因として、深部体温が上がると、必然的に深部血液が熱くなり、熱を嫌う脳への血流が低下します。
また脳は、それ事態が多大な発熱器官であり、全体の20%の血液を浪費(?)するハイスペックCPUみたいなものなので、熱いととにかくあてにならない器官です。
普段から脳の判断とは別に、体の判断、感の判断を磨いておきましょう。

呼吸と熱は、誰でも時々刻々体感している生理ですが、体感と生理学を循環させながら学んでいる人が意外とおりません。暑い夏なら、それはそれで学べる範囲が広がりますので、おのおの観察してみて下さい。

#生理学

#熱中症

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?