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7.人間の臀筋と瞬発力 スピードスケートのスタート 清水宏保

前回(6.ウマの走り方 臀筋と第三転子|磯谷整体)はウマの観察をしました。
人間における臀筋の観察です。

清水宏保の代名詞ともなった「ロケットスタート」です。
最初に右、次に左の臀筋を使っているように見えます。
スケートは脚全体の外側に乗ったり、内側に乗ったりを繰り返すのですが、清水選手の場合、ストレートのときは外側の臀筋群に一瞬乗り、瞬発力を発揮した後は内側に乗るように見えます。

チーターやヒョウなどネコ科の動物は、三関節を同時伸展させて、ハムストリングス筋群など脚の裏側に位置する筋肉で走りますが、これらの動きは出力方向に融通が利かないので斜めに圧をかけ続けるスケートには不向きとなります。

スタートの考え方が以下の動画で語られています。トップ選手による鼎談で興味深いです。

6:57〜、8:43〜

スタートの号砲がなる前に右脚を「絞る」と表現されております。これは臀筋群に負荷を与えて瞬発力のタメを作っているのではないかと思います。

人間の臀筋は、小殿筋・中臀筋・大殿筋に分かれます。名前の通り、大殿筋が一番大きい臀筋となります。
大殿筋の役割は、股関節伸展、外転、外旋、内旋と若干複雑ですが、スケートのスタートにおいては外旋・外転・伸展が主です。

人間と類人猿の違いに「大殿筋の発達」が上げられます。人類創成期になにが起こったのか?そんな疑問の答えを探る上で、この大殿筋とその役割を探るのは面白いものです。

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