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保健・福祉の公務労働の専門性とは…(備忘録)

佛教大学社会福祉学部教授の岡崎教授によると

自治体職員が担う保健・福祉領域の公務労働の役割と専門性とは…

第一に、住民の生活困難や「いのち」の危機など地域における社会問題を対象にしていること
住民生活の状態を社会問題として把握し分析できる能力、ひとりの事例や住民の言葉や表情から社会的困難を洞察できる能力が求められる。

第二に、困難をかかえ厳しい状況にあっても、自分らしく生きたい、人として尊重されたい、社会に参加したいという個人の切実な要求をつかみ、それを当事者とともに実現する専門的力量
当事者との専門的信頼関係を形成し、深部から当事者の願い・要求をつかみ、社会的ネットワーク必要を明確にする専門性が求められる。

第三に、政策・制度を活用し、かつ政策・制度の裏付けを必要とする専門労働
既存の制度・給付を徹底的に活用すると同時に、現行の政策・制度の課題や問題点を明らかにし、改善や充実をもとめる運動をつくることも重要な役割

第四に、地域における保健・医療・福祉の連携・協働をつくり、住民の「いのち」と生活の継続に必要な社会問題行政計画を策定する政策能力
自治体は連携・協働をつくり、社会行政計画を策定し実施する責任主体であり、保健・福祉公務労働者は地域の連携・協働やネットワークをつくり、社会行政計画を策定する実践的な政策実施の専門性をもたなければならない。

四つの専門性は、第一の専門性(社会問題分析)が、第二の専門性(コミュニケーション力)を発展させる土台になり、第四の専門性(政策の立案)が第三の専門性(政策制度の裏付け)の条件を作るなど、それぞれが相互に関連している。
住民に責任を持つ専門集団としての主体的な学習・研修によって、専門性が現場で発展し継続されるという関係にある。

月刊『住民と自治』2023年5月号より


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