希 望 5
屋根にイルミの風車
胸にくるみのほのあかり
人間 真夜中 しごく正気に
ほほ と笑えば世は事もないんだ
智慧のあだ花 スパァクのたぐいは
いっそ 屑屋にわたしまして
石の意思もて ハ長からやり直しましょう
左様 テンポはアンダンテ
思い知ったよ 悉 達多(シッタルタ)の
明星ほどのまたたきは ざら
凡下の骨はかたかた笑って
あの広告燈にウインクしましょう
時の輪 火の輪 うたげの座
夜ひとしきりつづくかぎりは
屋根にイルミの風車
胸にくるみのほのあかり
【自註】
イルミ-----イルミネーション
スパァク-----ま、電車のスパアクあの青白い火花を想いたまえ。
テンポはアンダンテ---調子はごゆるりと、あわてて死なないことをさとす。
シッタルタ-----おしゃかさんの名前
うたげ-----あなたのすきな「さかもり」のことさ。
—――――――――――
時代に翻弄されながらも生きていく。胸には「ほのあかり」が灯されて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?