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復 活

燃えはじめたまま墜ちていつた星を
いかに私たちの手が捉え得たろう
地表を穿ったいん石の
あの深い暗黒にむかって
おうおうと私たちは徒に吼えるばかりだった
するとこだまは甦ったキリストのように
死んだものだけに許されるあの厳かな声で
ルカに伝えられた言葉をかえした
「平安 なんじらに 在れ」と
君は君の拒んだキリストの中に甦っていた
「死んでもまだ十字架を背負って往くのか」
君の真実がやりきれなかった
─── 私たちは黙って酒をあふった
やがて氷雨と木枯らしの中を
つばを鳴らしながら駆け出そうとする武士を一人
私たちは酔いのエクランの上に見た
そしてまた見た
いまいちどゆるやかに燃えて落ちてゆく流星の光芒を

     詩誌『駱駝』36号(同人・藤川憲明追悼号*1955年3月)

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