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私にとっての最高のブイヤベースはやはりマルセイユです (フランス マルセイユ)

プロヴァンスに何度か行くようになって、南仏へのゲートウエイはいつもマルセイユです。ここから電車とバス、またはレンタカーで各地に行きます。これまでに6回くらいかな。この最初のマルセイユ滞在は、2010年の11月だったと写真のデータで分かります。

この時はパリがメインの目的地で、TGVでこのブイヤベースだけのためにマルセイユまで日帰りしました。マルセイユ駅から目的のブイヤベースで有名なレストランまでは、歩いて1時間ほどであるとグーグルマップが教えてくれたので、のんびりと街を散策しながら歩いていきました。

マルセイユ中心部にはLRTが走っています。
港です
港には魚を売っている屋台みたい名場所がたくさんあります


途中は都会だった景色から港を超えて30分ほど行くと住宅地に変わり、小高い丘を越えると眼の前に海が広がります。そうです地中海です。生まれて初めて見たた地中海にはちょっと感動しました。大西洋やインド洋では感じなかった感情でした。この海に先にはアフリカがあるなあという感じでしょうか。800キロは離れているのでもちろん全然見えませんけど。アフリカも娘が住んではいますが行ったことがありません。

丘を越えると急に海が広がります

レストランの名前はル リュル(Le Rhul)と言います。建物は海沿いの道路に面して建っています。ホテルも併設しています。立地や建物の雰囲気は、横須賀の秋谷にあるホテル音羽ノ森になんとなく似ているような気もします。

海沿いの傾斜地に建っています。建物の前は道路が走っています
ホテル&レストランです
エントランス横のペイント

ここはブイヤベースで世界的に有名です。メニューを見ながらアラカルトでチョイスしていきました。まずは前菜から。

カニです
ストーンクラブではない普通のカニです
続いて海老の揚げ物
魚介だけしか注文していませんが、トマト味っぽかったりもするかなあと思ったので赤ワインです


いよいよメインのブイヤベースです。最初にスープ皿がテーブルに置かれます。カサゴとかうなぎとかの絵皿です。ここにはその後4年後くらいに再訪しているのですが、かなり沢山の種類の魚の絵皿があるみたいです。

カサゴです
うなぎじゃなくてアナゴです

これが「ルイユ」というマヨネーズの一種です。ブイヤベースの魚につけたり、パンにつけたりします。にんにく、赤とうがらし、オリーブオイル、卵黄を混ぜ合わせたもので、辛さはほとんど感じません。酸味のないマヨネーズといった味です。

マヨネーズの一種、ルイユ
パンにつけて

さてブイヤベースとは魚の寄せ鍋みたいなものです。もともとは漁師が魚と野菜を塩で煮込んだだけのものみたいです。その後トマトを入れるようになり、こういった赤っぽい見た目になります。

ここの店での供され方は、鍋に煮込まれた状態で登場して、テーブルの隣でスープと具を取り分けてくれます。

こちらがスープ部分
そして具材は別の皿に盛られます

スープの味はとても濃厚です。魚介のエキスがぎっしり詰まっている感じです。サラサラではなく、魚の身をジューサーで潰してるんじゃないかと思うほどに細かい固形物を感じる舌触りです。味付けが全然違いますが要するによく煮込んだあら汁です。漁師町ですから世界中どこでも同じようなものになり、その中で微妙な地域性が出るところが面白いです。

具材は別盛りにされてこのまま、または先程のルイユ、パンと一緒にいただきます。あら汁と同じく、出汁がらではありますが、それぞれの魚の味や食感を楽しみます。じゃがいもも入っていました。ワインは赤でも白でもどちらもよく合うだろうと思います。

ブイヤベースは寄せ鍋、あら汁ですから、本来は決して高級料理ではないはずです。世界中どこにでもある魚介の煮物ではありますが、地域性が出るのが本当に面白いです。そしてこれは日本の私達の日常的なものではないので、共通項が多い中でのこうした違いを感じて食べるのが最高です。

たぶんここは絵に書いたような観光客向けのお店です。純粋ブイヤベースそのものであれば他にもっと美味しいお店がきっとあるように思います。それをわかって上で、このロケーション全体を感じるところかなと思います。そういう点では、お約束観光地のお約束飲食店は決して侮ってはいけないと、改めて思いました。鎌倉のカレーが有名な珊瑚礁の本店じゃなくて134沿いの方のお店みたいなことですかね。

地中海を見ながら食事をするのも非日常で気分が上がります

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