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インナーイヤフォンのメンテナンス SENNHEISER IE 40 PRO

ヘッドフォンに続いて、イヤフォンのメンテナンスです。

このゼンハイザーのインナーイヤホンは、オンライン会議のときにメインで使っています。オンライン会議というのは実は映像は結構どうでもよくて、音が全てと言ってもよいのです。なのですが、結構な確率でひどい音で会話してくる人がいて本当に困ります。

何がひどいのかというと、それは音質ではなく反響する部屋でノートPCの内蔵マイクを使っていて、相手の音声をスピーカーから出しているケースが最悪です。ノートPCの内蔵マイクは中途半端に感度がいいコンデンサーマイクなので、本人が想像する以上に反響している部屋の音をそのまま拾ってしまいます。そのため本当に何を言っているのか聞こえにくいというか判断不能なのです。音の業界で言うところの「オンで拾えてない」状態です。

加えてスピーカーから音を出しているので、その音をマイクが拾ってしまいハウリングやエコーが起きてしまいます。ところがZoomやTeamsのようなオンラインミーティングツールは、これを回避する機能が組み込まれていまして、これによって確かにハウリングは起きませんが、音のアタマ(先頭)が欠けたり、妙なデジタル処理によって肝心の声が聞こえないことが頻発しています。

どんな処理をしているかをAIセンセイに説明をお願いしてみました。こんなことをやっているわけです。

・エコーキャンセレーション:
スピーカーから出力された音声がマイクに入力されるのを検出し、その信号を除去します。これにより、音声の反響やエコーを防ぎます。

・ノイズ抑制:
背景ノイズを識別し、それを減衰させることで音声品質を向上させます。

・音響フィードバック検出:
システムは継続的に音響フィードバックのパターンを監視し、それが発生した場合に迅速に対応します。

・自動ゲイン制御:
入力音量を適切なレベルに自動調整し、過大入力によるハウリングを防ぎます。

・周波数フィルタリング:
ハウリングが発生しやすい特定の周波数帯域を選択的に抑制します。

こうして並べてみるともっともらしいですが、実際にはこれらはまともに働かないのです。特に自分のマイクで拾っている音がダメだから、後処理で何をやっても限界があるのです。

かつてiPhoneなんかに付属していたイヤフォンマイクを使っているケースも同様です。オンライン会議にはちゃんと口元にマイクをセットしましょう。私が使っているのはその筋では有名な1,980円のこれですが、圧倒的にクリアです。

話が長く、本題からは脱線していますが、まだまだ続きます。

そんなわけで、ポイントとしてはまずはスピーカーから音を出さないことです。出しても問題が起きないようにすることができるのであれば、その人は音の世界でメシが食える人です。

スピーカーから音を出さないためには、ヘッドフォンかイヤフォンを使うことになりますが、ヘッドフォンをかけている姿は見た感じゲーム実況みたいでそれなりにインパクトがあります。

そこでイヤホンになるのですが、どうせならなるべく目立たないもので、かつ四六時中会議をしているわけではないので、普段使いできるものがいい。普段使いというのは要するに音楽が聴けるものがいいわけです。流行りのうどんみたいなワイヤレスのインナーイヤホンは、私の場合はどう考えても落として無くすのが目に見えていて、さらにたとえば混んでる電車の中では膨大なブルートゥースの電波が飛んでいて、それとの混信を避けるためにさまざまなエラー補正機能で音質は確実に劣化するからここは紐付き一択です。

その中であまり多くはないのですが、完全に外部音をシャットアウトして話さなきゃいけない場面がたまにあるので、ミュージシャンが使ってるような遮音性が高いタイプのものから選ぶことに。その中での定番とも言うべきものが、このゼンハイザーのIE 40 PROだったというお話です。

これはいわゆる「シュア掛け」と呼ばれる、シュアというメーカーのイヤホンで始まった、耳にケーブルを引っ掛けるタイプのもので、最近のライブコンサートではミュージシャンの人はこのタイプを使うことが多いです。さらにこのIE 40 Proは、性能の割には12,800円くらいと十分リーズナブルだったのです。ですが5年以上使ってきてケーブル系に色々問題が出るようになりました。

そこで思い切ってケーブルごと交換しました。と言っても3280円ですが、元々の価格からしたら結構な金額ではあります。

これがIE 40 Proの本体です
こんな感じでケーブルを入れ替えました

ある程度以上のイヤフォンやヘッドフォンは、こうしてケーブルを交換できます。音を出すドライバーユニットというのはそんなに簡単に壊れるものではなく、ほとんどのトラブルはケーブルの断線です。なのでケーブル交換できる機種を強くおすすめします。

全体像はこうです

さらにイヤーチップという、耳に突っ込む部分を交換できるイヤフォンであれば、ネットで調べて交換してみると、お値段以上の音に変わるかもしれません。今回はイヤーチップも交換しました。

IE 40 Proの性能を引き出すためには、このコンプライ社のイヤーチップが絶対必要です。純正から交換するとその違いに驚きます。私の耳にはT400のMサイズがフィットします

インナーイヤホンのいいところは、鼓膜の近くで音が鳴ることです。デメリットは耳の穴に入れるのでどうしてもユニットが小さくなり、結果として低音域が出にくくなります。それをこうしたイヤーチップを使うと低域が逃げにくいのでよく響くのです。

こんな感じになります。正面から見ると装着していることはほどんどわかりません。

今回のメンテナンスでまだまだ2、3年は行けるんじゃないかと思います。サウンドも見た目も気に入っているので、大切に使いたいと思います。

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