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安藤忠雄氏のアートセンターで最高のロゼワイン (プロヴァンス シャトー・ラ・コスト)

プロヴァンスに滞在していた時に、なんとなく1日時間が空いたのでGoogleマップで近くになんかないかと探して出かけたのがこのシャトー・ラ・コスト Château La Costeというシャトーです。宿泊していたクリュイという村から車で1時間、Le Puy Ste Réparadeという村にあります。

こう書くとなんかすごく知ったかぶり感が満載ですが、私はワインに関する知識はゼロです。プロヴァンスは5,6回は訪れてはいますが、ピンポイントで良さげなB&Bやレストランをやはりネットで探して、その周辺で何もしないでぼーっとしています。このワイン美味しいとか、こういう傾向の味が好きだなとかははっきりありますけど、蘊蓄は全く語れませんし、そもそも普段はサイセリアのマグナムが家に常備してあり、それで満足しているレベルです。

このときも現地でマップでなんとなく1時間位で行けそうなところを探して、なんとなくピンときたこのシャトーに行きました。いつものように完全に行き当たりばったりの旅で、この時点ではこのシャトーのことも、安藤忠雄氏のミュージアムがあることも全く知りませんでした。その程度です。

いまこの記事を書くために調べていてなんと日本語のWEBページがあることを発見しました。かなり詳しく書かれているので、興味がある方はぜひご覧ください。安藤氏以外に隈研吾氏の作品もあり、シャトーと言うよりはアートを感じる場所とも言えます。

ここでは私の感想を書いておきます。ぶどう畑はかなり広大で、このエリアの土壌がそうなのですが、ゴロゴロした日本的に言うと赤土みたいな感じです。私達は黒いふかふかの土が良いと思いがちですが、果樹や野菜にとっては本当にそうなのかなあとこういうところに来るといつも思います。最小限の水と土で育てるという「永田農法」の話を聞くとワタシ的にはすごく納得感があります。人間も植物も、ずっとぬるま湯につかっていると良くないんじゃないかと思います。

シャトーにはアートセンターが併設されています。これが安藤忠雄氏の設計でした。

このクモみたいなのって六本木ヒルズにあるのと同じアーチストの作品かなあと思ったらやっぱりそうでした。ルイーズ・ブルジョワ氏です。


このあたりのコンクリート打ちっ放しのデザインの切れ味はいかにも安藤忠雄氏ですね。

お腹が空いたので敷地内にいくつかあるレストランの中から、Restaurant de Tadao Andoにしました。他には普通の屋内の高級っぽいちゃんとしたレストランと、もう一つはパラソルとテーブルが並んでいる完全なオープンスペースのお店でした。このときは9月の終わりで、天気もよかったので、ここが半オープンエアでも落ち着いた感じだったからです。

窓はなく大きな開口部です
各テーブルにはシャトーで育てているというバラなどの生花が。こういうところが欧州というのは本当に豊かだと感じます
日本では見かけないガス水(スパークリングウオーター)

このシャトーはロゼワインが得意というか有名なようですからもちろんロゼを選択。場の雰囲気もあるのでしょうが、人生で飲んだワインのどれよりも美味しかったような気がします。とにかく爽やか。とにかく芳醇。心地よい風がゆったりと吹き抜ける中で本当に優雅な時間でした。

ロゼワインとローズ
同行者は基本アルコールを飲まないので心ゆくまで

食事は普通にとっても美味しかったです。

スープはその土地の特徴が一番出るものだと思います
野菜はすべてシャトー内で育てているそうです
パンはやっぱり美味しいです
チーズ!
オリーブオイルが香ばしい
こういう米が大好きです
左はまさかのふろふき大根

アラカルトでワイン(ボトル)も含めて2人で1万円ちょっとだったと思います。こういう場所でこの金額だとすると、どうしても日本の息苦しいお店で同額かそれ以上の金額を払うことに私は抵抗があります。もちろん現地に行くまでの費用はかかりますが、こういうものを体験しておくことで、たとえば最高から最低までのポジショニングと価値を、自分なりにその都度その都度判断できるからです。

その上で、サイゼのワインも十分価値を感じます。サイゼのワインしか知らないのも、オーパスワンやケンゾーしか知らない(そんな人いないか)のもどちらも不幸だと思います。

サイゼのワインを知ってるからこそ、ここのロゼを、ここで飲むことのすばらしさを感じられると思います。

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