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池のほとりで絶品味噌田楽を (愛知県犬山市 )

たぶん味噌田楽は珍しい食べ物ではないと思いますが、愛知県の郷土料理となっていて、他の地域ではあまり見かけない気がします。これはもめん豆腐を竹串に挿して、赤味噌を付けて焼くものです。子供の頃には本当によく食べていました。

なかでも特に印象に残っているのは、犬山市の明治村の近くにある入鹿池のほとりの見晴茶屋さんというお店です。入鹿池は農業用の人工の池ですが、フナやワカサギの釣りができたり、モーターボートに乗ることもできました。子供の頃は本当によく行きました。見晴茶屋は貸しボートがメインですが、ここの味噌田楽が本当に美味しかったです。

入鹿池

昨年4、50年ぶりで訪れましたが、変わらぬ味に満足です。表面に振りかけられているのは青のりです。味噌は赤味噌に砂糖を加えた甘辛い味です。四隅に黒く焦げ目がつくくらいが食べ頃です。

見晴茶屋さんの味噌田楽

うちの家族はこの味噌田楽が大好きで、家には専用の焼き器具までありました。これは長さが50センチ、奥行きが15センチ、高さが10センチくらいの鉄製の長方形のコンロのようなもので、下段に炭が置けるようになっていました。この上に豆腐を竹串で渡すように乗せて、裏表を10分くらいかけて焼くのです。似たようなコンロは今ネットで探しても発見することはできませんでした。

ポイントは串です。これは竹串でないと美味しくありません。鉄製の串だと熱伝導によって豆腐の真ん中が高温になり過ぎるのです。竹串だと熱を伝えないので、豆腐の外側から内側に向かって程よい温度分布で加熱されるんです。鉄串だと熱源が2箇所になってしまうんですね。焼き鳥なんかも同じ理由から、竹や木製の串を使うんだと思います。

また竹串はもちろん燃やすいので、それを避けるために一晩水に浸けたものを使います。そうするとなかなか燃えません。

もう一軒、同じ犬山市内には松野屋さんという味噌田楽の専門店もあります。こちらもおすすめします。

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