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音長(ゲートタイム)って、なに?

今までで、ある一つの音の「音色」と「音程」について書いてきました。残りは2つです。今回はそのひとつ目の「音長」となります。ゲートタイムと言いますが、その前に、、、。

似ている「ステップタイム」という言葉も登場しますので、まずは、こちらから。これは、次の音が出るまでの長さ、具体的には音符の種類をイメージして下さいな。

音符の話となると、どうしても「分解能」なる新しい言葉が出てきます。
楽譜を眺めていると、一番小さい単位は、小節線で区切られた1小節で、それが繋がって曲になっています。

そう、ポイントは「1小節」ということになります。
この1小節を、どの位細かく分解できるか、これが分解能力という規定となります。

楽譜をイメージして、白い丸が小節の中に1つだけある状態、これが全音符ですね。これを、どの位細かくスライスして扱えるのか、これが「分解能」となります。シーケンサーの能力もよりますが、標準としての具体的な数値は「1920」です。

何だか中途半端な数字に見えますが、これが意外と考えられた数字なんですよ。ここでは、全音符のステップタイムは1920と覚えてもらえれば十分です。これは、次の音が出るまで1920の長さ、その音を鳴らしてね、という意味です。この1920が全音符のステップタイムとなります。

半分の長さの2分音符のステップタイムは、1920の半分の960となります。
その半分の長さの4分音符のステップタイムは、960の半分の480となります。

以下同様に数字だけを書いておくと、8分音符=240、16分音符=120、32分音符=60。普通の楽譜なら、32分音符まで表記できれば問題ないでしょうから、DTMとしても、ここまで扱えれば十分と思われます。

これで音符の種類、つまり音の長さを指定出来るようになりました。
しかしながらステップタイムは、次の音が鳴るまで鳴り続ける長さでもあります。

もし、1小節に4分音符が4つ並んでいた場合、ドの音を例にすると、「ドードードードー」と、音が切れ目なく繋がってしまいます。

これでは譜面上見た目の音符は間違いないのですが、DTMとしての表現では「のっぺらぼう」なので、工夫したくなります。

ここで登場するのが「ゲートタイム」なのです。
ステップタイムは譜面上の長さ、ゲートタイムは実際に音が鳴る長さ、という違いです。

ということは、ゲートタイムはステップタイムよりも小さい数字を指定すればOKですね。以下、私の具体的な設定値を書いておきましょう。

全音符=1860、2分音符=920、4分音符=440、8分音符=200、16分音符=100、32分音符=50。音符に対する長さの割合が、それぞれ微妙に違っています。

これは、あくまで最初の設定の(仮の)数字で、後で加工の時に長くしたり短くしたりします。音符とは違う演奏上の表情付けには、このゲートタイムの加工が特に生きてきます。

次回は、いよいよ最後の要素「音の強さ」(ヴェロシティ)についてとなります。お楽しみに!

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