次回「定例イソラジ」(20201119)のためにビゼーの曲を選曲(7)
ここ何回か続いているビゼーの「カルメン」関連作品の聴き直し作業。
今夜はついに、歌劇「カルメン」全曲への挑戦となりました。
・ビゼー:歌劇「カルメン」全曲とカラヤンの録音について
カラヤンは、1963年にレオンティン・プライス(sp)をカルメン役として録音していました。そのカラヤンが19年を経てデジタルで再録音したCDセットを聴き直しました。
これは、1982年9月にベルリンでデジタル録音された演奏となります。
最晩年のカラヤンの「オペラ指揮者」としての存在を、今に刻み付けています。
・このCDの特徴について
オリジナルに最も近いアルコア版を使用しての演奏であること。
セリフの部分は歌手が話すのではなくて、会話専門の別のキャストが担当しています。
したがって、歌の声質と、会話部分の声質が違うという場面が頻発する事になります。歌手は歌の録音のみに集中できるという利点はありますが、初めて聴くと戸惑うかも。
「今、話してるのは誰の役の人?」を、対訳と「にらめっこ」で確認する必要あり。
・カルメン役の歌手について
1970年代後半、一番重要な存在であるカルメン役を、晩年のカラヤンは見つけました。
その、カラヤンの眼に止まった歌手が、アグネス・バルツァ(ms)でした。
彼女を起用してなら、歌劇「カルメン」を、しかもデジタルで再録音出来るぞ。19年前の録音では、ソプラノ歌手との録音で、満足していましたが。
そのためには、もっと自分好みの歌手になるように指導しておきたい。
ザルツブルクでの自分の音楽祭に出演させて、舞台経験を積ませるのが一番だ。
その最終目的こそが、今度は、メゾ・ソプラノ歌手アグネスとで記録する事。この思いがCDとして、この全曲演奏に貫いている。
そして、この全曲録音での一番の聴きどころは、やはりバルツァのカルメン。ホセ役のカレーラスとは対照的な設定で、「ハスッパさ」で際立っていますよ。
・カラヤンの指揮について
また、カラヤンの指揮も上手い。オケは手兵のベルリン・フィルだしね。
ここぞ、というところで見事に盛り上げてくれる。今でも超お勧め(^^♪
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