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追い風を感じられるひとでありたい

先週まで体調を崩していまして、(在宅で)最低限の仕事をこなしつつ、読書やゲームなどをしながらだらだらと過ごしていました。幸いここ数日は調子も良く、いつものペースで運動をしたりできるようになってきました。

ちょっと風邪を引いているくらいでも、体調が悪いときっていろんなことを先送りにしたくなってしまいますよね。人に会うこと、美味しい店に食べにいくこと、面白そうな映画や展覧会を見にいくこと・・・。不調な期間が長びくほど、「元気なときにいろいろやっておけば良かったなあ」と思ってしまいます。

私は職業柄、長く病気を患っている方のお話を聞くことが多いのですが、病気のせいでそれまでできていた活動ができなくなってしまうというのは、本当につらいことです。風邪みたいにすっかり治るものなら良いのですが、病気のなかには「付き合っていかなければいけない」たぐいものもありますので、その場合は何らかの活動が生涯にわたって制限されるということも起こり得ます。

以前はできていたことができなくなってしまった、といってひどく落ち込んでいる方には、「できなくなったことよりも、まだできていることに目を向けてはどうでしょう」と声を掛けることが多いかなと思います。そうした視点の切り替えのようなことは、はじめは難しくても訓練するうちに少しずつできるようになってくるようです。

私もどちらかというと物事をネガティブに考えがちなほうなので、うまくいかないことがあるとそのことばかり考えてしまう傾向があります。むしろ漠然とした悲しさみたいなのが先にあって、それにつながる物事を自ら探しだしてしまっているのかな、と思うときもあります。

このまえ自転車に乗っていたときに、ふとペダルが軽いなと思うときがありました。それでよくよく感覚に集中してみると、追い風が吹いているせいで楽に漕げていることに気づいたのです。そういえば、自転車に乗っているときって向かい風でしんどいことはよくあるけど、追い風を感じることは少ないなあと思いました。本当はどっちも同じくらいの頻度で吹いているはずなのに。

ふと、これって普段の私の毎日でも言えることなんじゃないかと思いました。普段から治らない病気の人たちを見ているのに、自分がそこそこ健康で普通に仕事ができているのが「追い風」であることをどれだけ意識できてたのかなって。体調が悪いときだけ向かい風がつらいつらいと喚いて、また喉元すぎれば熱さを忘れちゃうんだろうかって。

今思っているのは、まだできていること、いつ失ってもおかしくないのに自分が持っているもの、そういった追い風たちを時々思い出すようにしたいなということです。私の性格上、残念ながらなんとなく自分が幸せじゃないと思えてしまうことはよくあるのですが、それで少し自分に優しい気持ちで過ごすことができるようになるかもしれないなと。

これって SNS とかでよく見る「私を支えてくれる全ての人に感謝・・・!!」みたいな大げさなものじゃないと思うんです。もっとささやかで、それで幸せがみなぎるようなものではないけど、それでも一日一日を生き延びていくにはまあまあ十分なくらいの効果はある気がするので、毎日少しずつでも思い出してやってみようと思います。

サポートしてくれたら、私が美味しいものを食べます笑