見出し画像

【英語の格言】Alexander the Great:トップの資質で決まる「組織の命運」

このコラムでは、英語の格言を紹介しながら、心が折れそうな時の立ち直り方や、成功するための心構えを思いつくまま書いてみます。みなさんが自分自身を見つめ、満ち足りた人生を送るための支えになれば幸いです。

みなさんは、「組織のトップ」についてどのような考えを持っていますか。

政治が安定している時や、企業業績が上り調子で一般の国民や社員が平穏に暮らせている時は「取り柄のない凡庸なリーダー」でも、なにも問題はありません。むしろ「社長元気で留守がいい」といったところでしょうか。

しかし、ここ最近の自然災害や環境の激変、疫病などの脅威が高まってくると、平和になれたトップではまったく役に立たないことは、みなさんも身をもって感じているでしょう。

今日は、「トップの資質」についてのこんな格言を紹介しましょう。

真に強い組織とは

I am not afraid of an army of lions led by a sheep; I am afraid of an army of sheep led by a lion.
― Alexander the Great(King of the ancient Greek kingdom of Macedon, 356 - 323 B.C.)
1頭のヒツジに率いられたライオンの群れなど恐るるに足りない。だが、1頭のライオンに率いられたヒツジの大群を私は恐れるのだ。
アレクサンダー大王(古代ギリシャのマケドニア国王)

強いリーダーの重要性は誰もが唱えるところですが、こと日本国においては有能なリーダーはなかなか見つからないのが残念なところです。

もちろん、歴史を振り返れば有能な武将や政治家はそれなりに存在しました。

徳川家康や坂本龍馬、西郷隆盛など明治時代ごろまでは優秀な人材がたくさんいましたが、太平洋戦争以後の日本のリーダーは失敗に学ぶことがなく、「大局的かつ合理的な戦略」が決定的に欠けていました。

具体的には、ノモンハン事件からはじまりミッドウェー、ガダルカナル、インパールといった戦争で負け続けた軍の上層部と大本営に見られる組織の欠陥がいまだに続いていることです。

このあたりの事情は、日本組織の構造的欠陥を明らかにした「失敗の本質」に詳しく記されています。

また、新田次郎著の名作「八甲田山 死の彷徨」では、事前の十分な準備と山岳ガイドを基本とした徳島大尉率いる弘前歩兵第三十一連隊は無事生還

その一方で、指揮権のない上官からの根拠のない指示に振り回された神田大尉の青森歩兵第五連隊はほぼ全滅の憂き目を見ました。

明暗を分けたのは、上官や隊長の的確な状況判断能力の有無によるものと言われています。

日本は「ライオンの率いる国」になれるのか

このコロナ禍においても、ヨーロッパやアメリカほどの感染者・死亡者を出していない日本。

後手後手に回る感染防止や経済対策にもかかわらず、なぜこのように少ない犠牲者で済んでいるのか。スキンシップの少ない文化や清潔好きの国民性など、いろいろと言われていますが明確な理由は不明のままです。

「トップがボンクラでも現場で調整する力がとびぬけて優れている」のが日本人であることは確かですが、それも限界があります。

政治腐敗がはびこり、人口が減少し、コンピュータも英語も数字を読む力も持ち合わせていない日本人。2020年夏には東京都知事選、2021年秋には首相の任期切れを迎えます。

このような八方ふさがりの日本で、「ライオンのようなリーダー」は果たして現れるのか。あるいは皆さん自身が「ライオン」として活躍する気概はあるのか。

庶民なのかトップなのかに関わらず、日本人ひとりひとりの覚悟がいま問われているように思うのです。

あなたはどうお考えになるでしょうか。

それでは、またあした。


関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。