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【Tech Update】Libra: Liberated from Other Crypto?

一昨年末の「仮想通貨バブル」は、一攫千金を夢見て群がった「にわか投資家」に様々な意味で大きなインパクトを与えました。

2017年12月の時点でビットコイン史上最高値の20,000ドル(約230万円)をつけたものの今年の3月には40万円にまで暴落しました。最近になってようやく100万円台ににまで値を戻しています。

こうした仮想通貨復調のトレンドの中、Facebookは米国時間の6月18日に独自の仮想通貨Libraを2020年に運用開始すると発表しました。

Facebookは金融サービスを提供する新会社「Calibra」を設立し、ブロックチェーンを活用した世界的な通貨としてLibraを運用し、2020年にはmessenger、What's App、およびアプリ上でLibra用のデジタルウォレットを使用できるサービスを開始するとしています。

しかし、このLibra発表のニュースが各方面に与えた影響は大きかったようで、米国の下院からさっそく呼び出しを受けています。

The US government has some questions about Facebook’s new cryptocurrency plans. The Senate Banking Committee announced it's holding a hearing for Facebook about its global cryptocurrency project, named Libra, on July 16. Reuters called the news of the hearing “the latest sign that policymakers around the globe are casting a wary eye on the project.” Policymakers will ask about a topic that Facebook has had a less-than-stellar record on: data privacy. David Marcus, who heads Facebook's blockchain efforts, is expected to testify, according to Reuters. Facebook plans to launch Libra globally in the first half of next year.
[Pete Schroeder / Reuters]
(米国政府は、フェイスブックの新しい仮想通貨計画について同社に説明を求めた。下院の銀行委員会は7月16日に、フェイスブック社に対し、グローバルな仮想通貨計画であるリブラについてヒアリングを予定している。ロイターニュースによれば、このヒアリングは「個人情報問題というフェイスブックの暗い過去について政治家がまだ忘れていない」ことを示している。同社のブロックチェーン事業の長であるデビッド・マーカスがこの召喚に応じる予定だ。)

フェイスブックは、アプリの開発者がわずかな謝礼を支払って膨大なユーザー情報を集めることを見過ごし、結果的に8,700万人ものユーザーに影響をおよぼす事態になっていました。

ただでさえCambridge Analyticaによる個人情報利用や米国大統領選挙でのロシア関与疑惑でフェイスブックの信用が地に落ちている最中、その信用が最も重んじられるはずの通貨サービスを開始しようという試みはかなり無理があると言わざるを得ません。

ただ、このサービスの運営団体であるLibra協会には、VisaやMasterCard、Uber、Spotify、eBayなど、米国の名だたる企業が所属しており、その強大な影響力が世界経済にどのていどのインパクトを及ぼすのか、とても気になるところです。

関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。