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【きまぐれエッセイ】Sunday時代劇レビュー:明治政府の混乱と日陰者の苦悩

こんばんは。日曜日はNHKの2大時代劇「大河ドラマ」と「BS時代劇」の日。きょうもけっこう見ごたえのある内容で大満足でした。

それではさっそく、今夜の2つの時代劇を振り返ってみましょう。

青天を衝け:栄一の「改正掛」が日本を変えてゆく

小学生のころからずっと大河ドラマを見続けているぼくなんですが、これまで近現代を扱ったドラマはいまいち人気がないというか、視聴率もぱっとしなかったんですよね。

でも、ことしの大河ドラマはちょっとちがう。徳川政権から明治新政府に移り変わる激動と、西洋列強のはざまでなんとか追いつこうとする日本の移りゆくさまが生き生きと描かれています。

まわりの人々を巻き込む栄一の「吸引力」

こうと決めた生き方に何度もまったがかかり運命がかわっていく栄一。

倒幕をめざすも慶喜の側近である平岡円四郎に見いだされ、駿府(静岡県)に安住の地をもとめるも新政府に助力を頼まれる。

しかしそのたびに違う方向から評価され求められ、どんどん昇進していくところがなんとも痛快です。

しかも栄一の魅力は、自分の信念を曲げて敵側に行っても、人から恨まれないところ。

「口八町手八丁」とはよくいったもので、まさに栄一のためにあるようなことばです。

今回も旧幕臣と薩摩・長州の元武士がごちゃまぜになった「改正掛」をひっぱり、新しい制度をつぎつぎと実現していくバイタリティは「今の日本に栄一がいれば…。」と思わずにはいられません。

中学生からずっと大河ドラマを見続けていますが、ひさしぶりにワクワクする大河らしいストーリーで楽しませてくれました。

雲霧仁左衛門4:第3回「次なる将軍」

2018年に制作された「雲霧仁左衛門4」の再放送ですが、重厚なドラマ作りで飽きさせないストーリーとなっています。

シリーズ4は、江戸幕府第八代将軍である徳川吉宗が女中と通じて生まれた「ご落胤」、天一坊をめぐるストーリーです。

今回では天一坊の秘密がついに明かされ、将軍の後継者としていま一歩のところで身元が発覚。天一坊は捉えられ処刑されてしまいます。

ちょっと考えると「うそくさい話」と感じますが、今回のストーリーのように自分は吉宗の血筋を引くものだと嘘をいいふらした罪で処刑される「天一坊事件」が実際にあったとのこと。

これによって事件は一件落着したかに見えますが、雲霧仁左衛門は事件を影から操った黒幕の米問屋の柏屋清兵衛(イッセー尾形)や老中安藤帯刀(小野武彦)をターゲットにしていきます。

また、今回の伏線として雲霧一党の熊五郎(手塚とおる)が昔の奉公先の娘である静(星野真里)をかわいそうに思い、夫の士官代金として50両をワタシたことがあらたな不幸を招くことになりました。

今回の見どころといえばやはりぼくとしてはお千代役の内山理名、そして静役の星野真里ですね。

時代劇はただ台本通りに演じりゃいいってもんじゃなく、和服を着こなしたうえでそれなりの「風情」ってもんを醸し出さないといけません。

ぼっと出のアイドルなんかだとそうそううまく演じることなどできないわけで、そこへいくと内山さんはうまいですねぇ。

いっぽう、星野真里さんも武家の娘で夫に健気に尽くす役をかわいく清楚に演じていて好感がもてました。

次回はいよいよ雲霧一党が米問屋柏屋を襲って火付盗賊改方と対決することに。はたしてどうなりますことやら。








関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。