見出し画像

『統合失調症の一族 遺伝か環境か』&『人間仮免中』他を読み、未だに原因不明のこの病気について改めて考えます。

障がい者グループホームの運営において、統合失調症患者との接し方は本当に悩ましいです。
幻聴に悩まされ(死ね、とか殺せ、とか)、その”声”を消そうとして大声で叫んだり壁や家具を殴ったり…。

ストレスが重なると症状悪化につながるようだけど、何が引き金となるのか? は、スタッフには把握しづらく、場合によっては本人にもわからない。

この病気がなぜ起こるのかは、実は原因不明だそうです。
それを研究した下記の本を読んで、私見ですが先天的気質+過度なストレスによって閾値を超えると発症しやすくなるのかも、と思いました。

逆をいえばもし発症可能性の高い気質であっても、ストレスなく穏やかな日々を過ごしていたら、発症せずに暮らせるのかも??

今どき、ストレスと無縁な人はいないしそんな環境を用意するのは難しいと思いますが、尽力したいと思っています。

『統合失調症の一族 遺伝か環境か』はアメリカの事例。
『人間仮免中』『続人間仮免中』『鬱くしき人々のうた』は漫画家である卯月妙子さんの実体験です。
いずれも重い内容ですが、こういう現実を生きている人もいるんです…。

自分をポール・マッカートニーと思いこむ9男、修道士のようにふるまう長男……
12人の子供のうち6人が統合失調症に
彼らに何が起きたのか? 精神医療史の画期をなした一家の驚きの記録

【本書概要】
第二次大戦後、ギャルヴィン一家は空軍に籍を置く父親の都合でコロラド州に移り住む。ベビーブームを背景に12人の子宝に恵まれた一家だったが、1970年代半ばには子供のうち6人が統合失調症と診断された。厳格な父母によって育てられた容姿端麗で運動能力の高い息子たちは、なぜ次々に精神疾患に見舞われたのか?
一方で、サイコセラピーと抗精神病薬による療法が主流だった当時、遺伝的側面から統合失調症の原因究明や治療・予防法の発見を目指す研究者たちがいた。彼らはギャルヴィン家の人々と出会い、様々な検査等を通じて、統合失調症にかかわる遺伝子を突き止めていく――。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?