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チャット形式で毎日のヘルスチェックを。『feelsom』

介護や医療は今後の日本を支える大事な分野です。高齢者が増えていく中、彼らが尊厳のある豊かな生活を送れるかは介護と医療が担うといっても過言ではないでしょう。

一方で、限られた社会保障費を抑制するためには、健康寿命を延ばして医療や介護にかかる人を減らしていくことも全体で見ると論点として考えなくてはなりません。それは僕の認識だとヘルスケアという分野に位置づけられます。健康で居続けることを促進するプレイヤーは近年増えているように思えます。

しかし、ヘルスケアの対象者はまだ健康で元気な人、つまり不健康であることに対しての危機感を持ちづらい層であることが多いです。健康なうちから健康に気を使ってもらうために、多様なプレイヤーが動機作りと継続性、そして効果を生み出すために様々な工夫をするのがヘルスケアの難しさなのではと感じています。

今回紹介するのは『feelsom』というチャット形式で日々の心身の状態をモニタリングできるアプリケーションです。ちなみに実際の人がチャット相手になるのではなく、あくまでAI。現代的なソリューションですね。

使い方を説明します。

アプリをダウンロードし開いてからのオンボーディング時、全てチャットで情報の入力をします。

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わかりやすい質問ばかりだし装飾としてのデザインも整っているため、悩まずさくさくと進められます。完全に蛇足ですが、性別の選択肢に多様性を認めているとそのサービスへの評価が上がるのは僕だけじゃないはずです。

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個人情報を入れたあと、トップ画面にいくとこのような画面が。上部にあるアイコンを押すとチャットが開いて会話がはじまります(これらのアイコンがすべて何を指しているのかは直感的にわかりづらかったのは残念)。

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チャットでは健康に関わる複数の質問を受けます。

- 昨日何時間寝た?
- 朝起きた時の気持ちはどうだった?
- 昼何食べた?

こういった質問に対し、チャット上に表示される選択肢を押して回答していきます。これだけで、必要な情報の入力ができちゃいます。

また、回答したものをダッシュボードで週・月単位のくくりで確認もできます。今後は、分析や目標設定などの機能も足されるみたいです。

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面白いなと思ったのは、情報の入力をチャットに振り切っているところです。健康管理系のアプリは、今日の走った距離だとか体重だとか食べたものだとか、とても事務的に入力しますよね。その場合だとどうしても毎日の楽しみも感じにくいし変化も大きく見られないことのほうが多いので、続ける動機づけが弱いです。

一方でチャット形式だと友だちとLINEしているかのような感覚で健康状態について回答できるため、回答し終わったときには「え、もう終わったの?ってか健康にまつわることを回答してたんだ!」という気持ちになりました。

質問の仕方についてもクローズドクエスチョンをひたすら繰り返すものではなく、適度にジョークが入ったりGIFを送ってくれるのが楽しいポイントです。テンションは高いけど共感性の高い、とても気配りのできる人がチャットの向こう側で打ってくれているかのような擬人性を覚えました。

例えば以下のような例。

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朝の調子に「別に」と答えると「おお、きちんと話しましょう(この言い方って強い印象を与えちゃうよね?)。で、午後の調子はどうでしたか?」と配慮しながら聞いてくれました。

デメリットがあるとしたら、入力に時間がかかるということです。めんどくささは、習慣にさせるサービスの致命的なところ。楽しい体験と手間の簡略化を両立するには、まだまだ改善なんだろうなと思ったりしました。

僕なら、チャットでいける場合と事務的に情報を打ち込むだけの場合をどっちも入れるかなあ、そうしたら体験は崩れちゃうのかなあ。サービス開発って難しいですね。

ちなみに、チャットUIは日本発の人気ヘルスケアアプリである『FiNC』も取り入れていますよね。打つのに時間かかっても、コミュニケーションが動機付けや継続性に寄与するのでしょうか。ヘルスケア系サービスも色々触ってみたいなと思いました。

※トップ画像は https://feelsom.com のキャプチャを使っています。


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