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磯森照美のエッセイ集

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投稿したエッセイをまとめています。
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#コーヒー

エッセイ | 温かいコーヒーが飲みたい

毎日コーヒーを飲む私にとって冬は耐え忍ぶ季節だ。夏であればアイスコーヒーを作って冷蔵庫で冷やしておく。そうすればいつでも冷たいコーヒーが飲める。ホットコーヒーをいれたとしても液体の温度は急激に下がらない。 ただ冬は違う。冬はアイスコーヒーをあまり飲まない代わりにホットコーヒーを飲む。ホットこそコーヒーを楽しめる飲み方だとなんとなく思っているため、ついつい飲み過ぎてしまう。しかし、冬のホットコーヒーはすぐに冷めてしまう。それが問題なのだ。 私はドリップやマキネッタでいれたコ

エッセイ | 違いのわかる人

「コーヒー豆それぞれの味はカッピングをしないとわかりにくい」と言われたため、私は実際に道具をそろえて挑戦してみることにした。これも趣味はコーヒーと言う私にとっては以前からやりたかったことだ。 道具といってもそこまで必要な物はなく、形状が同じカップをいくつかとカッピング用のスプーンを購入した。 あとは家にあったコーヒー豆を使用することにした。思っていたよりも買いだめていたため4つの種類があった。 どれも飲んだことはあるが、飲み比べをしていないため初の試みになる。 1つ目

エッセイ | シトラスさがし

午前中からお昼頃にかけて用事があったが、それも無事に終わり帰路へとついている。時計を見るとまだ15時前のため、このまま家に帰っても普段通りの生活をしてしまうと思い、最寄駅のひとつ手前で降りることにした。 ずっと工事していた場所に商業施設ができており、工事中には近くを通っていたのだが竣工してからは来たことがなかったため、立ち寄ることにした。 フロア案内を見ていても特に興味をひかれるお店はなさそうだった。いくつかレストランとカフェがあるのと、フィットネスジムやサロンが入ってい

エッセイ | フレンチプレスで飲みたい

おいしいコーヒーを出すお店を見つけた。そこはターミナル駅の駅外にあるイタリアンをベースにしたレストランなのだが、コーヒーにこだわりを感じられた。 友人が一時帰郷するとのことで、その途中で一緒に昼食をとることとなった。荷物も多いため、なるべく駅に近いところで済ませたいと要望があり、それなら駅ビルで済ませてしまえと考えたのだ。 お店を探してみるとその多さに圧倒され、どこのお店にすれば良いのか分からなくなってしまった私は、お店の説明に「イタリアン」と書かれていた店舗に行くことに

エッセイ | マキネッタのサイズが変わるということ

朝日新聞の「天声人語」に掲載されたコラムにステキな一文があった。 そのコラムは『コーヒーと人生』というタイトルで、イタリアで暮らす友人からの手紙に「コンロに新品の小さなマキネッタを置いたときに涙が出た」という一文が冒頭に登場する。 この記事については朝日新聞を購読している母から存在を聞いたのだが、この一文の力はすさまじい。 私はこの記事をまだ読めていないが、この一文は朝日新聞デジタルにてギリギリ無料で読めた。ここから先は実家に戻ってから読みたいと思っている。 マキネッ

エッセイ | 分からないままでも

においに敏感で、自分の部屋に居る時でも香水を付けることがある。嫌なにおいは身の回りから排除したくなるが、消し去る方法が分からないために良いにおいを身にまとう。 嫌いなにおいはあまり多くない。好きなにおいの方が多いと思っている。街中を歩いている時も飲食店からこぼれるにおいは食欲をそそるし、スーパーマーケットのようにいろいろな商品が売られている場所なのに、無機質で冷たいにおいも良い。 その場所でさまざまなにおいが存在していることは当然なのだが、どのにおいにもなじみがある。

エッセイ | 周りになじむ

スマートフォンのシステムアップデートをするために駅前のカフェへやって来た。私は自宅でWi-Fiを使えるよう契約していないため、Wi-Fi接続の場合しか更新ができないシステムアップデートは困り種だ。 意外にも駅前のカフェは混雑しており、全席が使用中というわけではないが、数える程度にしか空席はない。 ロングソファに等間隔で机が並んでいる席の1つが空いていたため、そこにカバンを置いて席を確保する。 以前から気になっていたアイスドリンクを飲みたかったのだが、あいにくその時は涼し

エッセイ | 笑顔が近くに感じる

もう自宅にコーヒー豆がない。使い切ってしまったのだから買いに行かなければあしたのアイスコーヒーはない。暑い外に出るのは気が引けるが、コーヒーのない生活の方が私は耐えられない。 コーヒーに依存しているなと考えながら、せっかく外出するのだから他に必要なものも買ってこようと思い、冷蔵庫や備品をストックしている棚を開け閉めしていた。 最近は外を出歩く時はマスクをしていない。こんなにも暑いのだから屋外にいる時ぐらいはマスクをしていなくてもいいだろうと思っていたが、私が知らないうちに

エッセイ | 影響力をあなどるな

冷蔵庫を開けると、作り置きの水出しアイスコーヒーがなくなっていることに気付いた。からになったボトルを自分で洗っていたにもかかわらず、寝る時になると忘れている。 「寝る前に気付けてよかった。気付いていなかったらあしたはアイスコーヒーが飲めないところだった」ほっと胸をなでおろす。別にアイスコーヒーが飲めなくなるわけではないが、水出しアイスコーヒーは手間がかからないためついつい作ってしまう。 最近はカルディで購入した『グアテマラ』をアイスコーヒーに使用している。酸味のあるライト

エッセイ | 気付けば増えている食費

私は月末になると家計簿を確認する。自分でつけているのではなく、カードのアプリで勝手に記録されているものを見るだけなのだけれど、これがかなり役に立つ。 「もう月末か。今月は何にどれくらいお金を使ったのかな」その月に買ったものや行った場所を思い出しながらアプリを開く時がワクワクして好きだ。 買い物をする時は必要なものしか買わないし、無駄遣いをすることも避けている。なるべく質素な生活を心がけているのだ。 家具や娯楽用品を買わなければ、ひと月の間で大きな金額の買い物をすることは

エッセイ | 夏祭りは感傷的になってしまう

今日はどこへ出かけても浴衣を着た人を目にする。駅にいても、電車の中でも、街を歩いていても。ちょうど夏祭りの時期なのだろうと思いながら用事を済ませていた。 ひととおりの用事が済んだ頃には夕方となっており、喉が渇いた私はカフェに寄ってコーヒーを買い、自分の家へ向けて歩いていた。本当なら電車に乗った方が楽なのだが、外の空気も涼しくなり始めたため「散歩しながら帰ろうか」と思えた。 あまり汗をかきたくないためコーヒーを飲みながらゆっくり歩いていると、前を歩く人が浴衣を着ていることに

エッセイ | コーヒー遍歴−名前を変える1杯−

アイスコーヒーを作る時いつも豆のひき方を考えています。私の好みはさっぱり目なため、細びきに近いものが多いのですが、あえて粗びきを選択してその味を楽しむ事もあります。 粗びきにするほどに苦みが強くなり、極細びきになるほど酸味が強くなります。コーヒーを飲み始めた頃はとにかく苦いコーヒーを飲んでいました。その上、ブラックコーヒーで飲むのがカッコいいと思っていたため、黒く苦い液体を頑張って飲んでいたものです。 数年がたつと砂糖を入れて飲むようになりました。つらい思いをすることが嫌

エッセイ | 趣味って何なのさ

このカップ素敵ですね。コーヒが美味しそうに見えます。 みんなのフォトギャラリーを見ていたらこの写真を見つけ、見入ってしまいました。 私は無趣味に近いのですが、唯一趣味と言える物があるとしたらコーヒーかなと思う様になりました。 『コーヒ好きです』『コーヒーを毎日飲んでます』とはよく言うのですが、それだけで趣味と言って良いのかなとよく考えていました。 好きなカフェがあるわけでもなければ、専門的な用語を使いながらコーヒーについて語れるわけでも無いのです。 ドリップ、プレス、マキ