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直近の6年間でどれだけ成長しましたか? 『ISO通信』第68号(2022.2.26)

「うちの長男が中学生になりました。」
「はやいねー、もう中学生になるんだ」
「はい、幼稚園で遊んでもらっていた頃が、つい先日のような気がします」
「そうだよねー、こっちも歳をとるはずだよ」
長男が中学生になった頃、親戚や友人とこんな会話をしたことが何度かありました。

しかし、ある先輩は私にこう言いました。
「子供さん、小学校の6年間でずいぶんと成長したことでしょう」
「はい。子供の成長は本当にはやいと感じます」
「ところで、磯くん、その6年間でどれだけ成長した?」
「えっ、私がですか?」と聞き返しました。
長男が小学1年生になった年は、私が二度目のサラリーマン人生をスタートした年です。

一度目のサラリーマンを16年、フリーランスを2年ほど経験した後の2010年は私にとって節目の年になります。
長男が小学校を卒業した2016年は、今の会社に入社して6年が経つ頃で
「その6年間でどれだけ成長した?」
という質問に対して
「まったく未経験の業界に入ってどうなることかと思いましたが、なんとか人材紹介の仕事で食っていけるような気がしてきました。少しは成長していると思います」
と答えました。
「ほう、それはよかった。お子さんが中学生になった人に『この6年でどれだけ成長した?』って聞くと答えられない人が多いからね。次の6年も成長することを忘れないように」
尊敬する先輩が、そう教えてくれました。 

あれから6年が経ち、中学校と高校でさらに成長した長男は4月から大学生になります。
「ところで、磯くん、その6年間でどれだけ成長した?」
と質問してくれた先輩とはしばらく会っていませんが、この言葉を思い出して、今度はドキリとしました。
成長していないかも?
「いや、成長はしている」と思いたいのですが、成長カーブが緩やかになっていることは間違いありません。

昔のことですが「俺はこの道25年のベテランなんだ!」と威張る人に対して「毎年毎年、同じことを繰り返しているだけの人じゃないか」と内心で反発したことがあります。しかし、私自身も毎年同じようなパターンの仕事に慣れ、コンフォートゾーンにハマりつつあるような気がします。

社会や業界の構造が不変なら「この道25年のベテラン」の経験に頼り、その人の指示の通りに動けば間違いなかったことでしょう。また、経験が豊富でたくさんのリスクを乗り越えてきた人は、大きなトラブルに発展しそうな「小さな芽」を未然に摘むことができたり、成果を上げるための最短ルートを知っていたりするので、過去の経験を否定するつもりはありません。
しかし、過去の経験に縛られていると、変化の波に押しやられて、傍流で細々とビジネスを続けていくことなります。

次の6年が経つと次男も大学生になっているはずです。そのときに
「息子たちの成長カーブと同じくらいに、私も成長できました」
と先輩に報告できるよう、新しいことにも挑戦したいと思います。

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