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プロとって本番の日はいつ? 『ISO通信』第74号(2022.8.28)

プロ野球に興味のない方にも読んで頂けると嬉しいのですが、今回はプロ野球中継を観ながら感じたことをテーマにしてみました。

私は横浜DeNAベイスターズのファンです。前身の大洋ホエールズ時代からこのチームを40年くらい応援していますが、優勝したのは1998年の一度だけです。プロ野球のセントラルリーグには六つの球団しかないので、もっと頻繁に優勝してもいいはずですが、私が生まれた年(1969年)まで遡っても、優勝の記録がありません。そんな球団、唯一無二です。

強いチームと弱いチームの差について、プロ野球ファンの友達と議論したとき「弱いチームにいると負け癖がついて、試合の後に反省することもないから弱いのだろう」と言われたことがあります。そのときは「プロの選手なのだから、チームが負けても個人としての反省くらいするだろう」と反論したのですが、最近の試合を観て「反省の質」に違いがあったのかもしれないと考え直しました。

今年のベイスターズは、現在のところ2位であり、もしかすると優勝するかもしれません。テレビに映る選手の表情は真剣そのもので、こんな顔つきで毎日試合をしていたら、個人のレベルも上がるだろうと感じました。たとえ負けたとしても、投手が「なぜあの球を投げて打たれてしまったのだろう」と反省し、打者が「なぜ、あのとき空振りしたのだろう」と考えれば次の機会に活きてくるはずです。

翻って自分のことを考えると、最近は「毎日が本番」と思って仕事する習慣を忘れていました。スポーツには練習と本番の試合がありますが、本番の試合に優る鍛錬の場はないと考えています。もちろん練習の成果が試合に現れるのですが、真剣勝負の本番では練習では感じることのできない緊張感があり、その中で力を発揮できる人が、さらに高いレベルに到達できます。

私は、フライングディスクのアルティメットという競技に長く親しんでいて、週末に練習し、年に数度の大会に参加する生活を繰り返していました。40歳を過ぎてからは、練習や大会に出る機会も減り、試合でくたくたに疲れると「明日から仕事かぁ、休みたいな」と思うこともありました。大会の翌日に休暇を取ることもありますが、仕事の前日には「お金を払ってくれるお客さんは、仕事の延長線上にいるのだから、アルティメットは趣味で、明日からが本番だ」と気持ちを切り替えていました。

コロナ禍を言い訳にアルティメットから離れてしまったせいか「毎日が本番」と思う機会がなくなっていました。そしていつもと同じように毎日を過ごしていると、日々の反省の大切さも忘れてしまいます。
ベイスターズの選手のピリッとした表情を観て、本番を意識して仕事する気持ちを思い出しました。「自分が頑張ればベイスターズも優勝できる」という願を掛けて、24年ぶりの勝利の美酒に酔える日を待ちたいと思います。

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