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ウイポ9 2022 系統確立プレイ#12


1988年

この年の目玉にして脅威はなんといっても3歳世代。特にオグリキャップとスーパークリークが強力です。本格化したこの2頭は前2~3世代のほぼ全ての古馬より強いため、自己所有かクラブ入りで出走レースを制御しなければ、90年頃まで国内GIを総なめにされてしまいます。

とはいえ今回はオグリキャップを中央転入イベントで、スーパークリークを幼駒セリで確保しており、国内に敵はいません。クラブ牧場で自家生産した(#10の余談を参照のこと)シンザンのラストクロップにして後継馬、カゼノオーに三冠を獲らせるチャンスだと思っていたのですが……

結果的に生涯唯一の敗戦に

成長型遅めと芝○が響いたか、皐月賞でメジロアルダンに惜敗。サクラチヨノオーとスーパークリークが欧州にいるため、残り二冠は楽勝しましたが、競走成績としては悔いが残るものになりました(ロールプレイとしてはライバル不在の三冠制覇よりも熱い展開なので良いのですが)。

古馬戦線では本格化したスルーオダイナとレジェンドテイオーが中長距離を総なめにし、ノーザンテーストの確立を盤石なものにしています。古馬ダートでは全盛期のフェートノーザン・トウケイフリート・イナリワンが激突していてプレイヤー所有馬は手も足も出ず、これらの馬が出てこない短距離の交流重賞をほそぼそと拾う程度。

欧州では前年に続いてトニービンが活躍。WHCに選ばれたBCターフを制しました。サンタアニタは軽芝なのでトニービンには不利な舞台でしたが、あらかじめ豪州に遠征して海外遠征を付けておいたのが幸いし、ムトトを辛うじて退け戴冠。母父として優秀な血統なので、世界中で種付けできるのは助かりますね。

ホーンビーム確立で豪州芝にも適応した

米国ではプライヴェイトアカウント、ファピアノ、デピュティミニスター産駒がGI勝ちを増やしています。いずれも確立は10年近く先になる予定で、支配率調整も込みの先行投資という感じですね。

この年の主な種付けは国内メジロティターン、欧州ダンシングブレーヴ、米国はダンシングブレーヴとデヴィルズバッグが半々。ダンシングブレーヴがWHCを勝っているため、繋養地ではない米国でも種付けできて非常に便利でした。

年末処理

ロベルトの種牡馬引退を目前に控え、ブライアンズタイムらロベルト系史実産駒を一斉に引退。国内ではノーザンテースト産駒を年に1~2頭ずつ引退させます。欧州の種牡馬枠が完全に飽和しているため、欧州デビューの架空馬はほぼ引退できずに順番待ちしている状態。米国のヴァイスリージェント系は今年の新種牡馬をもって地域5%の確立ラインに到達しており、来年には確立できるはずです。

輸入種牡馬購入はなし。本来ならトニービンとリヴリアが輸入されてくる年ですが、今回はいずれも自己所有しています。

今年も引退種牡馬にめぼしい馬がおらず、消去法で種牡馬入りしたばかりのレジェンドテイオーをPrivate化。ノーザンテースト確立用に満額で種牡馬入りしているため、確立後速やかに引退してもらうべくPrivate施設に押し込みます。

88年の確立馬はゼダーンとリュティエです。

ゼダーン系

非常に使いやすい血統

ゼダーンが確立。欧州5%、母系継承SP系。早ければ83年頃には確立できるので、88年の確立は比較的遅い方です。

確立の手順

ゼダーンは78年に日本に輸入され、84年頃に引退します。支配率の大半が欧州で活躍する産駒によるものなので、確立したい場合は輸入時に購入して欧州に送り返すとよいでしょう。

直子のナジャ、カラムーン産駒のシャカプール・カラグロウ・ビカラ、ニシャプール産駒のムクター、ケンマール産駒のハイエストオナーを所有。また自家生産馬を1頭入れています。史実馬はどの馬もGI級の能力がありますが、トニービン以外ほとんどが早熟で成長力もあまりないため、エディットで成長型を早め・持続にするなどして競争寿命を伸ばしたほうが成績が安定します。得意距離もマイルから中距離に偏っているため、レースが被らないよう使い分けに注意が必要です。

今回はトニービンも所有していますが、WHCを勝たせるために現役続行したのでまだ引退しておらず、種牡馬リストに入っていません。うまく使えば満額余裕の能力があり、実際にこのプレイでは77年度末の時点ででGIを8勝して満額条件を満たしていたので、トニービンを4歳で引退させるなら自家生産馬(下表のゼダンゲート)は不要でした。このあたりはプレイスタイル次第でしょうか。

他に日本でのゼダーン産駒としてクラウンエクシード、タニノスイセイ、パッシングパワーが使用可能。どの馬もステータスは最低限なので、活躍させたければエディットしたほうがいいです。ちなみにドムラシーン産駒のディープルーツも確立に使えるとのことなのですが、筆者はこの記事を書くために調べるまで該当馬の存在に全く気付いていませんでした。リサーチ不足を実感します。

支配率

半数以上が早熟マイラー

ゼダーン 450万 ☆
   Kalamoun 引退済み
      Kenmare 600万
         ハイエストオナー 950万 ☆
      Kampala 1250万
      シャカプール 1500万 ☆
      カラグロウ 700万 ☆
      ビカラ 1500万 ☆
   Nishapour 500万
       ムクター 1500万 ☆
   ナジャ 1250万 ☆
   自家生産馬 1200万

☆は所有馬

種牡馬頭数11頭、種付料合計11,400万。カラムーンをはじめ初期にいた種牡馬が何頭か引退していること、全体的に繁殖牝馬が少ないことが合わさって、見た目ほどは支配率に余裕がありません。ただトニービンが今年引退するため、きっちり支援できていれば89年には必ず確立できるはず。

見ての通り支配率の大半はカラムーン産駒によるものなのですが、カラムーン自体は77年に引退。仮にPrivate施設で回収しても強制的に日本繋養になるため、産駒の欧州での活躍はカラムーンの種付料に全く影響を与えられず、欧州5%確立の役には立ちません。

なお、カンパラの種付料はトニービンの4年連続GI勝利でかなり底上げされています。元は400万くらいでした。

確立の影響

トニービン(とカラムーン)がSP化すること、これに尽きると言っていいと思います。ゼダーンは84年以降のシナリオではST系で確立しており、この系統をSP系で使えるのは76年シナリオのみです。ゼダーンがSP系の場合はカラムーンがSP維持というのも追い風で、9からのグレイソヴリン初期親化と相まって非常に使いやすい非主流SP血統を作れます。

少し未来。流行血統が全く入っていない

この系統を重視していくなら後継はほぼトニービンで決まりでしょう。今作ではホーンビームを確立することができるようになり、これによって今まで何をしても確立時に無系化していたトニービンを両親継承SP系で確立することができます。グレイソヴリン・ベンドア・ハイペリオン・マッチェムという現代から見ると化石のような血統ですが、ミスプロ・ダンジグ・ナスルーラに溢れたウイポのSP系環境では、これらの主流血統を受ける母の父として最適です。個人的にはテディ系が入っていないのが好感触。

注意点としては、曾孫であるトニービン以外のゼダーン・カラムーン・カンパラは自家生産に向いていません。どの馬もステータスと子出しが低く、また成長力に問題があります。ゼダーンとカラムーンは早熟マイラー、カンパラは低ステータスの晩成馬で、産駒が同様の傾向に出るととても扱いづらいです。

また、ゼダーンは一見バランスが良い血統をしているように見えますが、80年代中盤は未だにナスルーラ持ちの馬が幅を利かせているため、父父ナスルーラが非常に負担になります。かなり高頻度でインブリードによる危険度3超えを起こす上、健康ステータスも高くはないため、母父としての使い勝手は今ひとつです。確立したからと無理に役立てようとせず、トニービンに繋ぐためと割り切るのが吉ですね。

リュティエ系

せめてクレイロンは確立していてほしかった

リュティエが確立。世界2%(欧州型)、無系。史実馬を使って確立する場合、最速で85年頃に確立ラインに届くはずです。

今回はリュティエより年下のミルリーフシャーペンアップを引退年に確立する計画だったので、押し出しにより未確立で引退してしまわないようにリュティエの確立をできるだけ遅らせました。ほとんどの産駒を7~8歳で引退させているので、これ以上遅くする場合は自家生産馬に頼るしかないと思います。

確立の手順

直子からノーリュート・サガス・サンシリアン・ヤワ、ダンディルート産駒からトウショウルチェー・トウショウゴッド・トウショウペガサス・アップセッター・ビゼンニシキを活躍させて種牡馬入り。数は多いもののサガス以外は碌に能力がない馬なので、全てエディットします。芝適正を欧州型にしたかったので、史実馬はすべて欧州へ。系統維持用に自家生産馬も一頭種牡馬入りしています。

リュティエは82年に引退するため、Private施設で回収します。本当はある程度日本でも産駒を走らせてリュティエの種付料を保った方が効率が良いのですが、今回はエディット馬による満額種牡馬入りを連発することで乗り切りました。内部の種付料は300万くらいではないかと思います。

ダンディルートも80年に引退するためPrivateに回収。単にリュティエを確立するだけなら必須ではありません。今回はダンディルート→ビゼンニシキ→ダイタクヘリオスまで連続確立してリュティエの親化を狙うため、忘れずに回収しました(一敗)。

ルドルフのライバル(諸説あり)。血統の使いづらさは同格

なお、基本的に満額種牡馬入りの要件であるGI8勝さえ達成できれば勝鞍には拘っていませんが、ビゼンニシキには仏国三冠を獲らせています。ダンディルートの後継なのですが、まともに使える史実産駒がダイタクヘリオスしかいない上に子出しも悪く、血統構成もお世辞にも使い易いとは言えないので、三冠配合で少しでも爆発力を稼いでいきます。

支配率

エディット史実馬の暴力

リュティエ Private
   ダンディルート Private
      トウショウルチェー 1100万 ☆
      トウショウゴッド 1500万 ☆
      トウショウペガサス 1500万 ☆
      ビゼンニシキ 1500万 ☆
   ノーリュート 1500万 ☆
   自家生産馬 750万 ☆
   サガス 1500万 ☆
   サンシリアン 1500万 ☆
   ヤワ 1500万 ☆

☆は所有馬

種牡馬頭数11頭、種付料合計12,350万+Private。かなり過剰に思えますが、実はこれでも支配率はギリギリです。リュティエ系は収録されている繁殖牝馬の数がかなり少ないため、他のメジャー系統に比べてどうしても基礎的な支配率が低く、牡馬の種付料頼みになります。

またリュティエがPrivate化されて日本繋養のため、いくら史実馬を欧州に集めても確立パターンは世界2%(=地域6%)です。上表で日本に繋養されているのはリュティエ・ダンディルート・自家生産馬で、それ以外の8頭でおそらく欧州5%を超えていますが、日本にいる3頭と繁殖牝馬で日本1%を超えないと確立ボーダーに乗りません。今回の場合、自家生産馬が種牡馬入りしないと確立しませんでした。

確立の影響

リュティエ系自体は完全に先細りの系統で、確立による影響はさほど大きくありません。欧州のトウルビヨン系はリュティエと同じクラリオン系から派生したアホヌーラの系譜が長く残るため、リュティエを分離することでトウルビヨンが零細化しやすくなり、アホヌーラを母系に持つケープクロス等の種牡馬が配合時に完全型活力補完を成立しやすくなるのはメリットです。

トウショウ牧場がダンディルートを導入した関係で、トウショウ牧場産の繁殖牝馬によく血が入っています。トウショウ血統に思い入れがあるプレイヤーには選択肢になるでしょう。特にシーイズトウショウにはダンディルートの濃いクロスがあり、確立していると面白いです。

ダンディルート以外にはトウショウペガサスがGI馬を出しているほか、シャレー経由でミホノブルボンの母父父になっています。ミホノブルボンの血統表は素の状態だとネヴァーベンドしか確立しておらず、因子が少なすぎて非常に使いづらいので、ミホノブルボン系を作りたい人にはリュティエ(とセントクレスピン)の確立はおすすめです。

相当テコ入れしないとまともな血統にならない

父系としてはリュティエ→ダンディルート→ビゼンニシキ→ダイタクヘリオス→ダイタクヤマトまでラインが続いており、内国産種牡馬冬の時代において3代連続で内国産馬が種牡馬になるのは珍しいことでした。過去作(7あたりまで?)では、ダイタクヘリオス×ダイイチルビーのSHとしてファーストサフィーが設定されていたこともあります。このプレイでは折角なのでファーストサフィーを再現し、あわよくば確立まで狙ってみようと思っています。


親昇格: ニジンスキー系

ニジンスキー系が親系統に昇格。欧州12%。芝もダートも名馬が非常に多く、史実産駒のいる馬や史実のGI勝ち馬を所有して活躍させ、種牡馬入り後に欧州に集めていけば比較的楽に昇格可能です。

昇格のタイミングは89年または90年末がベスト。88年の日本クラシックを分け合ったヤエノムテキ・サクラチヨノオー・スーパークリークはいずれもニジンスキー系で、GIを8勝できるスペックがあり、さらにヤエノムテキ以外は種牡馬入りが確定しています。この3頭を欧州で走らせて3歳か4歳で種牡馬入りし、昇格の最後のひと押しをするのが基本になるでしょう。ただ今回は加減を誤って過剰援護した結果、上記3頭の種牡馬入りを待たず、早めの昇格となってしまいました。

ダート馬までかき集めて欧州12%達成

所有して活躍させた馬は以下の通り。基本的にエディットはしていません。欧州に父がいる馬と種牡馬入りが確定している馬は欧州で走らせ、そうでない馬は強い馬やダート馬を米、弱い馬を日に振り分けて、種牡馬入りし次第欧州牧場に移動しています。

マルゼンスキー
ヤマニンスキー
キングスレイク
ホリスキー
シンウルフ
ゴールデンフリース
オールドカントリー
スズカコバン
カーリアン
ラグナス
サクラトウコウ
ロングハヤブサ
スズマッハ
ヴィジョン
シャディード
シャーラスタニ
ファーディナンド
グランドオペラ
(サクラチヨノオー)
(ヤエノムテキ)
(スーパークリーク)

計18+3頭

上記のうち半分くらいが種牡馬入り不確定と89年までに引退する馬だったので、昇格まで引退を阻止しなければならず、欧州牧場の種牡馬枠は完全にパンクしていました。前年にエタン・シャーペンアップ、今年ゼダーンを確立したのは、ニジンスキー系種牡馬を保持するために欧州牧場の余計な種牡馬を放出し、枠を開ける必要があったからだったりします。

ちなみにニジンスキーは91年まで現役。一応Privateに回収すればもう少し長く現役でいられますが、米→日と繋養地が変わるだけなので、欧州12%の達成に寄与してくれたりはしません。血統表中から名種牡馬因子が消えるために配合によっては爆発力が4~6程度下がるので、ニジンスキーの肌馬を作りたければ昇格前に作っておきましょう。

親昇格により却って爆発力が落ちる異常事態

ナスルーラの分割は既に佳境に入っていますが、ノーザンダンサー分割は始まったばかり。初期の活躍馬であるニジンスキーは産駒成績も優秀で、後継牡馬が軒並み失敗した後も母系での影響力を長く保つため、親化によって非常に配合がやりやすくなります。12%確立によって系統確立の枠を他の馬に使えるのも良い点で、箱庭がとても豊かになるため、全プレイヤーにおすすめしたい昇格ですね。

次回は89年です。


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