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ウイポ9 2022 系統確立プレイ#13


1989年

本来なら平成三強が大暴れしている年ですが、この箱庭ではオグリキャップとスーパークリークが不在。イナリワンはAI操作だと滅多に芝路線に出てこないため、古馬王道路線はプレイヤー馬に支配されています。メジロティターン確立のためにエディット強化したメジロマーシャスが世界中の高額賞金レースを勝ちまくり、シンザン産駒の自家生産馬カゼノオーが春古馬三冠を制覇するなど、ウイポらしい非現実的な展開が多い年でした。

欧州ではナシュワンが欧州三冠を達成。7歳になるトリプティクは既にGIを15勝していますが、まだまだ競争寿命が有り余っています。ここからしばらく米国馬の確立が主となるため、欧州ではニジンスキー産駒放出で空いた牧場の種牡馬枠を使い、10年後の確立渋滞を見据えた種牡馬体制を組み立てはじめます。

米国は確立対象馬が多いために種牡馬施設がパンク寸前に。プライヴェイトアカウント・ヒズマジェスティ・アリダー産駒で満杯です。ヘイロー確立のための最後の追い込み期間なのですが、所有しているダート馬に対してGIの数が足りず、高額種牡馬入りに苦労しています。

ちなみに89年はサンデーサイレンスとイージーゴアがクラシックで激突した年。ヘイローとアリダーを確立させるためにどちらも所有しているので、史実のような正面対決は起こりませんでした。

仲いいんだ……

牝馬路線では所有したグッバイヘイローとAI所有のウイニングカラーズが名勝負を繰り返しています。この世界のシーキングザゴールドはGII以下を2勝、GI2着5回のシルバーコレクターでしたが、引退レースのBCクラシックでGI初勝利を挙げました。完全にノータッチのCPU馬ですが、ドラマがあっていいですね。

有終の美を飾るGI初勝利。絆コマンドが美味しい

年末処理

ヘイロー・アリダー・カロ産駒を順次引退。米国の種付料インフレが激しく、思ったよりも確立予定馬の支配率が伸びていなさそうなので、強制種牡馬入りや日本からの移動も駆使して種牡馬の数を増やします。欧州はクリス産駒くらいしかまともに走っている馬がいません。

輸入種牡馬購入はなし。本来はブライアンズタイムとフラッシュオブスティールが輸入されますが、どちらも父の確立のために海外牧場で保持しています。ブライアンズタイムが輸入されなくとも日本のBT産駒は問題なく生まれますが、シャトル種牡馬をしているんでしょうか?

Private種牡馬はカロを選択。89年末の引退馬はセクレタリアト・カロ・ロベルト・ファピアノと非常に豪華です。この面子の中で自己所有不可かつ引退よりも後に支配率が上がるのはカロとロベルトなので、実質的にこの2頭から選ぶことになると思います。ロベルト産駒は頭数だけなら引退前の段階で揃うので、エディットに抵抗がなければロベルトを先に確立してカロを回収するのが効率的。

89年の確立馬はヴァイスリージェントとロベルト、昇格系統はレイズアネイティヴ系です。

ヴァイスリージェント系

母系が多少貧弱でも最強の父系で補える

ヴァイスリージェントが確立。米国5%、ST優先継承ST系。史実産駒のみでは確立に足りず、自家生産からも強い馬が出づらいので、開始初期から自家生産しても確立時期は80年代後半になると思います。

確立の手順

ヴァイスリージェントはシナリオ開始時から現役種牡馬。つまりエディット可能です。自家生産馬主体での確立となるため、種牡馬エディットで能力を強化しておきます。

流石にあんまりな初期査定

本馬は11年連続でカナダリーディングを獲得した大サイアーであり、エクリプス賞最優秀2歳牡馬に輝いたデピュティミニスターを含む米GI馬3頭の父なのですが、魔のコーエー査定にかかればこの有様。いくら重賞未勝利といっても、同じくステークス勝ちが無い大種牡馬であるサザンヘイローよりSPが11も低く、サブパラも圧倒的に負けています。

実はヴァイスリージェントの子出しはそれほど悪くないのですが、産駒の競争能力に強く関わるスピード・瞬発力・勝負根性・パワーが低く、さらに成長型は早め・なしと、競走馬の父としては致命的な部分が多いです。成長力を持続にし、各種ステータスもせめて重賞馬程度には強化することをお勧めします。

史実産駒からはパークリージェント・リーガルインテンション、またデピュティミニスター産駒のシルヴァーデピュティをエディット強化。デピュティミニスターは素の状態でも短距離ハンデGIを拾っていける程度の能力があり、邪魔しなければ非所有でもそこそこの額で種牡馬入りしてくれます。85年生まれのリーガルインテンションより後の史実牡馬は89年産のソルトレークまで飛んでしまい、ヴァイスリージェントが引退する91年に間に合わないので、Private枠を節約したければ早期から自家生産するしかないです。

ヴァイスリージェントはノーザンダンサー直子であり、因子とニックス系統の充実によって爆発力がある程度確保されているため、GI級の産駒には困りません。問題はむしろ種牡馬入りのハードルです。北米のノーザンダンサー系はニジンスキーとリファールが分離していても10%前後の支配率を有しており、ここに2~3頭もヴァイスリージェント産駒を入れると、ノーザンダンサー系はあっという間に流行血統になってしまいます。

流行血統化した系統の架空馬の種牡馬入りはかなり困難で、強制種牡馬入りくらいしか方法がありません。今回は米三冠を狙えるくらい強そうなダート牡馬だけを米国所属にし、他の産駒は日本で走らせて種牡馬入り後に米国に移動させました。

支配率

Vice Regent 2600万
   自家生産馬 450万
      自家生産馬 550万
   自家生産馬 450万
   自家生産馬 600万
   Deputy Minister 1300万
   パークリージェント 1500万 ☆
   自家生産馬 450万
   自家生産馬 1500万
   リーガルインテンション 750万 ☆

☆は所有馬

種牡馬頭数10頭、種付料合計10,150万。種牡馬の半分は自家生産です。毎年1~2頭しか種牡馬入りできないので、81年頃に1000万程度で種牡馬入りした馬の種付料が半分近くになっています。

これらの牡馬とは別に、ヴァイスリージェントとデピュティミニスターからそれぞれ自家生産のトリプルティアラ牝馬が出て、種付料の上昇に貢献しています。AI任せのデピュティミニスターは今回700万程度で種牡馬入りしたのですが、2世代で5頭のGI馬を出して種付料が跳ね上がりました。

エディット強化したシルヴァーデピュティは産駒がいるので種牡馬入りが確定していますが、この時点ではまだ種牡馬入りしていません。いなくても確立できることをオートで確認していたのと、種牡馬入りを試した際に他の架空馬が乗馬になってしまったので。欧米の種牡馬枠をもっと増やしてほしいですね。

確立の影響

影響としては、米国のノーザンダンサー支配率を早期に低減できることが挙げられます。ヴァイスリージェントはノーザンダンサーの二年目の産駒であり、ゲーム開始時点で既にその血は北米に広がりつつあるため、分離することで確実にノーザンダンサーの支配率を削ぐことができます。

ニジンスキーを分離してもこの支配率

ヴァイスリージェントの系統はデピュティミニスターの子孫が大きく広がりを見せ、90年代から00年代にかけて北米で隆盛します。この時期はちょうど欧州でダンジグやサドラーズウェルズが親化する時期と重なり、更に欧州専用であるサドラーと違ってダンジグやデピュティミニスターは日本にも入ってきます。

自然確立するダンジグは良いとしても、ヴァイスリージェント(とノーザンテースト)を確立していない場合、日米は子系統ノーザンダンサーで溢れかえります。ウイポの配合理論上、特に母系に流行血統が含まれていると爆発力が低くなりやすいため、未分離のノーザンダンサーが母系に入り込むことによる負の影響は大きいです。

ゲーム開始初期、北米ではまだぎりぎりノーザンダンサーが流行血統になっていないので、早めに自家生産を始めておけば最小限の負荷で確立可能。ノーザンテースト産駒の全盛期と微妙に年代がズレているので、日本ダートを使えるのも良いですね。

デピュティミニスター産駒に優秀な繁殖牝馬が多かったため、母系での影響力も多少はありますが、そのために確立するほどの魅力はありません。父系はほぼデピュティミニスター系といってよく、日本ではクロフネ、北米ではゴーストザッパーが活躍したため、4系統連続でも2系統並行でも比較的用意に親化が狙えるのは好印象。

前作まではST維持だが本作ではST系を失う。なんで?

親化によるノーザンダンサー離脱を狙う場合、デピュティミニスターを通らないヴァイスリージェント系牡馬は97年産のトニージェントで打ち止め。種牡馬を確保しておかないと、デピュティミニスター確立時点でヴァイスリージェント系は滅亡します。リージェントブラフあたりを日本で確保しておきましょう。

ロベルト系

8ではリストラされていたST系が復活

ロベルトが確立。世界2%(米国型)、スタミナ因子によるST系(父系継承無系、無系時にST因子保有の場合のみST系)。支配率が最も高くなるのは91年頃ですが、ロベルト自身は89年で引退のためテコ入れが必要です。

確立の手順

史実馬からシルヴァーホーク・タッチングウッド・リアファン・ブライアンズタイム・ダイナフォーマー・サンシャインフォーエヴァーをエディット強化し所有。芝馬を欧州に、ダート馬と確立予定のシルヴァーホーク・ブライアンズタイムを北米に割り振って走らせ、高額で種牡馬入りさせます。アトタラクはエディットも所有もしていなかったのですが、豪州で大暴れして満額種牡馬入りしていました。

リアルシャダイやトレボロは日本に送られますが静観。日本の支配率は1%程度あればいいので、この2頭で用が足りるはず。

ロベルトは89年末で引退。産駒が活躍しても引退年は変わりません。カロやセクレタリアトとPrivate枠を取り合うので、史実産駒が豊富なロベルトは早めに確立しておきたいところ。

ちなみに89年のPrivate枠をロベルトに使ってもいいなら、史実馬のエディット強化などの支援をする必要はほとんどありません。ブライアンズタイム等の活躍と輸入で勝手に支配率が上がるため、93年頃には自然確立しているはずです。

支配率

史実馬だけで十分以上

Roberto 2100万
   Kris S. 250万
   Robellino 250万
   シルヴァーホーク 1050万 ☆
   タッチングウッド 900万 ☆
   リアルシャダイ 300万
   トレボロ 50万
   リアファン 1500万 ☆
   At Talaq 1500万
   Celestial Storm 250万
   ブライアンズタイム 1400万 ☆
   ダイナフォーマー 1000万 ☆
   サンシャインフォーエヴァー 950万 ☆
   

☆は所有馬

種牡馬頭数13頭、種付料合計11,500万。すべて史実馬です。素の状態では種牡馬が米国に偏り気味、かつ日本に輸入されてしまう馬が多いので、欧州に何頭か高額種牡馬を送り込むことで確立が楽になります。

牝馬がかなり収録されているため、ここまで種付料が高くなくても確立は可能。今回は欧州の種付料が高めになり、もう少しで芝適正が欧州型になるところでした。ロベルトは英ダービー馬ですからおかしくはないのですが、子孫への影響が大きすぎるので今回は見送りに。いずれはそういった特殊な遊び方も試してみたいですね。

確立の影響

父系でも母系でも影響範囲が広く、特に今作では確立でST系を獲得するためその影響力は絶大です。特に日本競馬はロベルトの血を様々なところで取り込んでおり、リアルシャダイ・ブライアンズタイム・クリスエス・シルヴァーホークらの系譜が深く浸透しているため、これらにST系を付与できるのは大きな利点です。

ただ父系でのST系維持となると難しいのもこの系統の特徴で、リアルシャダイ・シンボリクリスエス・グラスワンダーはSP化し、ST維持のブライアンズタイムも後継筆頭のタニノギムレットは無系化が確定しています。代々ST系を維持できる有力後継がほとんどいないので、ST箱庭でもなければ一・二代限りのST系と割り切ってしまう方が精神衛生にいいです。

ゲーム上の位置づけとしては優秀な牝馬の父という側面が大きいでしょうか。なんといっても子出し10の名繁殖スライトリーデンジャラスがおり、コマンダーインチーフ・ウォーニングを出しています。この2頭はどちらもロベルト経由でST化するので、ST箱庭ではむしろこちらが有望株。ドバウィの母父ディプロイの母でもあります。

血統構成も子出しもすべてが優秀

他にもアルマームード直系のユアマイレディ、ジャイアンツコーズウェイの祖母イメンスなどがおり、ストレートに使い勝手の良い牝馬は少ないものの遊び甲斐のある血統が目立ちますね。

系統として見た場合、ヘイローまたはサンデーサイレンスを確立すればヘイルトゥリーズン系が親系統に昇格します。この箱庭ではサーゲイロードが既に親化しているため、それほど大きなメリットはありませんが、代を経るに従って血統表から大種牡馬因子は減っていくため、昇格して悪いこともないでしょう。

日本競馬はロベルト派生の系統とサンデーサイレンス系でヘイルトゥリーズン同士のクロスが出やすい環境で、特に2010年代以降は血の閉塞が激しくなります。将来的にはロベルトとヘイロー(サンデーサイレンス)の両方を親昇格させ、親系統8本が確保できるようにしたいですね。


親昇格: レイズアネイティヴ系

レイズアネイティヴ系が親系統に昇格。米国12%。支配率の8割くらいがミスタープロスペクターによるものです。

ミスプロ系は87年くらいには確立条件を満たしていますが、1970年生まれと若いため、確立プレイなどで年上の馬を確立し続けていると他の馬に押し出されて何年も確立しないことがあります。80年代末まで押し出しを続けていると、ミスプロ由来の支配率は10%前後まで高まり、レイズアネイティヴ系が流行血統になります。

欧州と北米で全く異なる系統が定着。日本には全然入っていない

今回はミスプロの隆盛にアリダー系の支援を合わせ、種牡馬入りが確定しているアリダー産駒を使ってレイズアネイティヴ系の支配率を更に高めました。この時点で米国繋養のミスプロ系種牡馬は19頭、それ以外のレイズアネイティヴ系種牡馬が8頭(うちアリダー系5頭)です。

ちなみに翌年にミスタープロスペクターが確立するため、この形で親系統昇格ができるタイミングはこの年だけでした。

余談

これまでの系統確立時の解説では、特に説明もなく「父系継承」「母系継承」という表現を使ってきたのですが、よく考えるとこれは実態にあまり即していません。というのも、父系/母系での継承判定は両親がともに無系またはSP系の時の判定方法であり、ST系が絡む継承には用いられないからです。

ウイニングポスト9 2022には、系統特性として「無系」「SP系」「ST系」があります。系統確立時の特性の継承法則という観点からは、これらは「無・SP」「ST」の2種類に分けられます。

両親が「無・SP」の馬が系統確立する場合、父または母のどちらか一方の系統特性を継承します。どちらを継承するかは父馬と母馬の組み合わせによって決まっています。先祖の確立によって親の系統特性が変わっても、「無・SP」同士の組み合わせの場合、両親のどちらの特性を継承するかは変化しません。

たとえば、以下のような組み合わせの馬がいたとします。

牡馬A(SP系)×牝馬B(無系)→産駒C(確立時SP系、父系継承)

Cの両親であるA・Bやその祖先を系統確立して、両親の系統特性を変更したとします。その場合でも、「無・SP」同士の組み合わせであれば、以下のようになります。

牡馬A(無系)×牝馬B(SP系)→産駒C(確立時無系、父系継承)

「無・SP」同士の組み合わせによる系統確立のときは、継承元は変化せず、継承する特性は変わり得ます。A×Bの組み合わせは父系継承なので、両親の系統特性がSP×SPや無×無になり、見かけ上は両親の系統を受け継いだように見えても、内部判定では必ず父から系統特性を受け継いでいます。

しかし「ST」が関わってくると事情が変わります。両親のうち一方でも「ST」の馬がいると、上記の父系/母系ではなく、ST/非STという継承法則が用いられます。ST系を継承するかST系でない特性を継承するかは、これまた父馬と母馬の組み合わせによって決まります。

つまり、「ST」が関わる確立では、以下のようになります。

牡馬C(ST系)×牝馬D(SP系)→産駒E(確立時ST系、ST優先)

またしても両親の系統特性を変えます。

牡馬C(SP系)×牝馬D(ST系)→産駒E(確立時ST系、ST優先)

「ST」が関わる組み合わせによる系統確立のときは、継承元は可変で、継承する特性が固定されます。上記の組み合わせではST優先なので、父系でも母系でもどちらかにST系が入っていれば産駒EはST系になります。ST非優先の場合は逆で、産駒Eは必ずSP系(または無系)になります。

これ以外にもスタミナ因子所有時の固有ST系発生判定がありますが、本題にはあまり関係ないので省略します。要するに何でもかんでも「父系/母系継承」という表現をするのは事実に即していないからよくないよね、ということです。ウイポ8まではST系も父系/母系継承だったらしいのですが。

とはいえ過去の記事を修正するほどでもないと思うので、今後はST系が関わる確立ではより正確な表記をしようかなと考えています(覚えていたら)。こんな細かいことを誰が気にするんだという話ですが、ちょっとしたこだわりです。

次回は90年です。


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