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ちょっと大げさだけど、食事制限をしてみて食を楽しむということがわかった気がした。

生まれて初めて大腸の内視鏡検査というものをすることにした。特にどこか悪いということはないのですが、会社を辞めて独立したこと、年齢もややアラフィフに近いこともあり、「体が資本」を意識したからかもしれません。

知人の何人かが薦めてくれたクリニックで胃カメラとセットで大腸の内視鏡検査。胃カメラは会社員時代に何度か経験しているので、あまり気にならないけれど、お尻からの内視鏡は気分を大いに憂鬱にさせてくれます。。。

検査前日から食事制限が始まり、ラーメンはもちろんのこと、牛、豚、鶏ももなどは禁止。魚も白身魚以外はNG。ネギや海藻、きのこ類、葉物野菜などNG食材がずらっと書かれたリストを見てため息。もちろんお酒もNG。

食べて良いのはご飯、食パン、うどん、卵、味噌汁(具は豆腐のみ)といった自由度に欠けるたった数行のリスト。NG食材と同じくらいリストが多ければ良いのだけど、そうもいきません。

検査当日は朝から絶食なので、前日に口にしたのはお昼の卵かけご飯、夜に釜玉うどんとバター醤油をかけたご飯のみ。
とりあえず、お腹はふくらむものの、満足感の低いこと、この上なしです。

そして自分の目の前の食卓には家族の食べるローストビーフ、キムチ、具沢山のお味噌汁、白ワインなどなど。食材の取り合わせはさておき、テーブルの彩りの良さや香りが自分を一層みじめな気分にさせてくれます。

キムチの入った小皿を鼻に近づけて、その香りを嗅ぐと、なんとも刺激的で美味しいにおいがするではないですか。味噌汁はその汁だけを二口ほどもらって、その味の複雑さに驚き、程よくサシの入ったローストビーフは新玉ねぎのスライスの上にきれいに配置されていて鑑賞するだけでよだれがあふれ出てきました。

僕が食べていた釜玉うどんやバター醤油ご飯が美味しくないとは決して思いません。ただ、食後の満足感がいつもと違うのです。口の中に塩味や甘み、鼻腔に残る香りが圧倒的にいつもより不足していることを感じます。「満腹感<満足感」を体が求めていることを認識した一日でした。

たった一日だけの食事制限ですが(正確には次の日の検査が夕方なのでプラス半日は絶食)、食べるという行為がもたらす効用を構成する要素は実にいろいろあるものなのだということに気づきました。

つい先日、友人に誘われて行った渋谷の某有名鮨店で大将がこう言ってました。
「ネタを焼いたり、煮たり、蒸したりするのは、そのままで食べるよりも美味しいという理由があるから手をかけるんです。」
確かにそのお店のお鮨は新しい発見に満ちたすばらしいお鮨のオンパレードで感動しました。

もちろん、食べることができる、それだけでも感謝。
でも、それ以上に自分の五感を開かせて食べることができるなら、日々発見と満足が得られます。

あらためて食の世界は人間のずっと深いところとつながっていることを、たった一日の食事制限で考えさせられました。

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