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NHKの契約ウーマンが来た話。【その1】

NHKの受信契約の為の、おそらく地域スタッフが来た。
1週間、慣れない新卒の現場で忙しく
仕事柄夜遅く帰宅、
昨日は部署の人が歓迎会を開いてくれたので朝方帰宅。
今日は宅配便が来るだけだし、
1日ゆっくりしようと決め込んで、
風呂に入ろうとして全裸になったその瞬間、
午前10時55分。
それは白昼の襲撃であった。

ピンポーン。
こんな時間に…?宅配便は午後のはずなのに…最近の佐〇急便は時計も読めねぇのかよ、クソが…
頭をかいてインターホンに出る。
ガチャ。

「お世話になっております。NHKです。」
快活そうな女性の声であった。

心の中で警告音が鳴った。
嗚呼神よ、これが一人暮らしの洗礼か。
全裸で受話器を持つ自分を哀れに思う間もなく、5分前まで眠っていた頭をフル回転させなければならなくなったのは、言うまでもない。

無知な私はあろうことか
オートロックを開け、
部屋の前までその女性(契約マンならぬ、契約ウーマンと呼ぶことにした。)を入れてしまったのである。
インターホンで塩対応すれば良かったものを。

ここで最後の野生の勘が働いたのか、
スマホのボイスレコーダーを起動させてドアを開けた。
その女は笑顔でハキハキと、
お引越しなされたばかりですか、社会人様でいらっしゃられますか、契約の方が義務でして、NHKは公共料金みたいなものじゃないですか、
などと、国文科出身の筆者に対して
気に障る敬語を存分に使い
NHKの受信料が如何に大切かを語り
(宗教ととっても差し支え無いほどのアピールだった。委託業者だろうが、NHKからどれだけ積まれているのだろう)、最終的に
ここで支払うという事ではないので、名前と住所だけ書いてくれ
と言われて契約書を手渡された。
書くのは家の中でいい、ここで待ってるので
と言う。

このノートを書いていてふと思ったのだが、これは単純に怖くないか?
ここで、書いて契約書を手渡すまで、家の外に出ることが出来ない状況が見事に作られたのである。

家に入ってドアを閉め
ここで何も考えず個人情報を書くことはなく、
私は父親に連絡した。
父はすぐ電話に出て、事情を説明されると
即こう言った。

「払っていくらになる?新卒の給料で、まり子が生活に困らないだけの額なの?」

「そうでないなら、契約は止めなさい」

「何としてでも、自分で断りなさい」

2ヶ月に1回、約4千円(高い)。
年間、2万4千円(ふざけるな高い)。

1ヶ月食費3万円生活を実行しようとしている私にとって、この金額は脅威だ。
父に言われて考え直した。
「忙しくてテレビを見ない」と言ったから、
まだ買ってないことにすれば良いだろう…
そう思って再び玄関に出た。

「ええ〜テレビありますよね?先程と言ってたこと違いますよぉ〜笑」
契約ウーマンの笑顔が引きつった瞬間、
そいつの纏っていた「話しやすいお姉さん」の化けの皮が剥がれたのを感じた。

(to be continued…)

#NHK #受信料 #エッセイ #新社会人 #日記

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