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日記:供養、エゴのるつぼ、アグレッシブ烈子
供養
二年前くらいに、笑い男とGLaDOSを使って会社の自己紹介ビデオを作った男がいた。その人は同じ部署で、一度も話したことがないが、俺はどっちも大好きなので密かに「ロックな奴だな」と尊敬していた。
だが別の同僚に「あの自己紹介ヤバかったよね」と同意を促すように言われたことがあった。
そのときは愛想笑いで返したが、たまーに尊敬していたものを一刀両断されたことを思い出してちょっと悲しくなる。
実は今日、風呂でシャワー浴びてるときに思い出したのだが、誰にも言えないのでこの話はここで供養することにしたのだ。
その別の同僚さんは、それ以外の部分ではわりと好感を持っているし、目が会ったら穏やかに談笑し合うくらいの関係値である。
そのときの言葉に悪気はなかったのも知っている。飲み会で隣の席になったら、「あのときこう思ってたんですよ」くらいは言うかもしれないが。
俺も一方で、自己紹介ビデオでGLaDOSを持ってくるのはヤバい奴と言いたい気持ちも分かる。特に知らない場合は。
でも彼はきっとTechの部署なら常識だろ、俺のパフォーマンスを観てくれ!という賭けをしてオタク気質(誉め言葉である、誓って。)な「若気の至り」のプロモーションビデオを披露したのである。俺はその辺は自分が若いからか未熟なのか、クリエイティブな部署にいるからか、そう言う風土は応援したいと思ってるのだ。批判があることもまぁわかりつつも。
エゴのるつぼ、認めること
社訓があるとはいえ、会社は人間が集まって行われるものだから、その風土は従業員が作る。部署ごと、チーム単位、飲み会、その全ての単位で構成員の個性が、サラダにぶち込まれて混ざり合ったみたいにせめぎ合う。
仕事のやり取りは極力自我を捨てて行われるが、拭い去ることはできない。ハンターxハンターのオーラみたいなものである。意図的に「絶」を使わない限り、一緒に仕事しているだけで香ってくる。
幸い周りにはとてもいい人に恵まれているので、基本的に皆やさしいし、大人である。
けれど優しいが故に厳しかったり、逆にそっとしておくことが甘さにつながったり、わりと状況によって良い面と悪い面はコインみたいに表裏一体なので、だから完璧な人間にはなり得ない。
最近思うのは、それでも歯車を回し続けるには、耐えるということではなく、それでも相手には沢山いいところがあるよね、と愛するとか、認めるポジティブな気持ちが大事ということだ。
音楽性の違いでバンドがぶつかり合うのも、みんな一生懸命だからなのだ。それぞれに道理がある。
(ま、第一俺が気付いてないだけで一番人に迷惑をかけていることもあるとは思う。どっか抜けているところがあるので……しっかりしなくては……)
アグレッシブ烈子
そんなことに気づかせてくれたのは、アグレッシブ烈子だ。
Netflixの一期までは烈子がパワハラ受ける話が主なのだが、この作品がすごいのはキレ散らかして鬱憤を晴らす話かと思いきや、その両者の立場の良い点悪い点までちゃんと描いていることだ。
トン部長は、最悪な印象を一期で与えるが、彼は彼なりの哲学があり、それはトンvs烈子のラップバトルで端的に明らかになる。ここぞという場合に部長らしく頼りになり、しかし彼のパワハラの報いは四期あたりでしっかり受けることになる。
また、「パワハラをする昭和なトン部長」のアンチテーゼとして「権利主張ばっかりする令和新入社員穴井」が用意されている。何か言われたからといって、逆切れすることの欠点もしっかり描写される。
一方で性別を軸にした対立として、女らしさを武器にする角田さんというキャラもいれば、そういう態度が嫌いなフェネ子もいる。未婚でバリキャリのゴリ部長/鷲美というキャラもいれば、ママをがんばるカバエさんというキャラもいる。
その全員に対して、活躍する場と悪目立ちする場が用意されている。
例えば、ネタバレをして申し訳ないが、入社して早々パワハラを受けたと被害妄想が加速した新入社員穴井に対して誰も手がつけられなかったとき、おしゃべりでおせっかいすぎるママさん主婦のカバエさんの意外な活躍で彼が助かる。彼はただ、会社が不安だったというだけで、母性のあるカバエさんと相性が良かった。
角田さんは後半に恋愛の先生として活躍するようになり、フェネ子の角田に対して抱いていた嫌悪感もなくなる。
実際の会社でもみんな良いところと悪いところがあって、それを認めて仕事を回してく大事さに、アグレッシブ烈子を通して気づいたと勝手に思ってる。
今日の日記ではそれが言いたかった。
ごめん、やっぱり嘘。
Portal2は許すけど、みんな攻殻機動隊はみといてくれ。アグレッシブ烈子も観てくれ。結論はそれだ。
以上。
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