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#3 「こうあるべき」を崩す時かもしれない

オンラインやリモートワークがすっかり浸透するようになり、私(ライター)の仕事も画面越しでのやりとりが増えてきました。今のところ特に大きな変化はないものの、この先不安がないわけではない……。ほかの仕事仲間は今の状況をどう見ているのか気になるところです。というわけで、やってきたのは福井県鯖江市河和田(かわだ)地区。仕事をご一緒することも多い「TSUGI」のにいやん(新山直広さん)に、コロナ時代におけるデザイナーの生き残り方(!?)についてビシッと考察してもらいました。


雑談日 2020.4.13


―TSUGIはコロナの影響って出てる?

実店舗は休業になってますが、デザインの仕事に関していうと、今はまだ影響ないですね。でも、3ヶ月後から半年後くらいになると仕事が激減するかも……と危機感は持っています。

コロナでテイクアウトを始めたところやオンラインのサービスはすごく増えたじゃないですか。実際に、僕たちもデリバリーサービスのお手伝いとか、抗ウイルスグッズの企画、飲食店の未来を考えるプロジェクトの相談など、今までには経験しなかったお仕事が徐々に増えてるんです。もしかしたら今後もこういう案件が増えていくのかもと感じています。


―毎日なにかしら新しいサービスが生まれてるから、デザイナーにできることはたくさんありそうだよね。ほかには今までと違うなーって感じることはある?

スケジュール感ですかね。例えば、河和田でもいくつかのお店が集まってテイクアウトできる場所をつくることになったんですけど、パッケージのデザインも昨日頼まれて明日納品とかなんですよ(笑)。


―それってもう、一発納品だよね(笑)

普段はブランディングにしっかり時間をかけるので、「100点のデザイン以外は世の中に出したくない」とか絶対に言ってたと思うんですけど(笑)、そんな場合じゃないなと。
もしかして「デザインはこうあるべきだ!」っていう考えを崩す時なのかなと思って。ある意味この状況にワクワクしてる部分もあるんです。


―めっちゃポジティブだなぁ。働き方でいうと、これまでと何か変わった?

うちはもとから出社義務がないので大きくは変わってないですね。でも、コロナでリモートワークも案外できるじゃんって思った人は多そう。オンラインが主流になると、会社っていう場所の価値が変わりそうですよね。


―通勤にかける時間とか、オフィスの賃料とか、「これ無駄かも」って気づく機会なのかもしれないよね。

コロナが落ち着いても、きっとこれまで通りには戻らないと思うんです。オンラインは伸びていくだろうけど、その反動でこれまで以上に生々しい体験が求められるようになるかも。まぁ、どうなるかわからないですけどね。


―そのヒントを探るのがこの雑談の目的だったりします(笑)

自分たちのことでいうと、新しい仕事のあり方として、商品やサービスを生み出す仕事をもっと増やしていこうと考えていて。デザイナーって基本クライアントワークだけど、自分たちが意思を持って、新しいものを生み出すクリエイターも増えてくるんじゃないかな。とにかく今は試されてる時。自分も含め、みんながここをどうサバイブしていくか、めっちゃ興味深くウォッチしています!


(雑談終わり)


毎日状況が変化するなかで先を読むのはなかなか難しいもの。新山さんと話していると、こんなコロナの時でも自分のできることと目指す姿のバランスを取ろうとしていて、さすがだなと背筋が伸びました。
無意識のうちに「仕事はこうあるべき」と思い込んでいることってありそうだなぁ……。私もサバイブできるように頑張りたいと思います(笑)。

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