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#9 不安の正体

今回の雑談相手は、福井で企業のブランディングや人事コンサルティングなどを手がける「株式会社akeru」の大連達揮(だいれん・たつき)さん。日々企業や経営者と接するなかで、きっといろんな気づきを持っているはず、と雑談をオファーしました。コロナは少しずつ落ち着いてきたものの、まだまだ先行きが見えない日々。正直私自身ちょっと疲れたなーと思い始めていた頃でしたが、大連くんの熱い口調で一気に背筋がシャンとなりました。

雑談日 2020.5.14


―「akeru」1周年おめでとうございます! そんな時期にコロナで大変だったよね。

ありがとうございます! 令和初日に立ち上げたので、1年あっという間でした。 コロナでここ数ヶ月、経営者としては怖いなと感じる部分もありましたけど、心境的には割と整っていましたね。アフターコロナに向けて、今やるべきことをやるしかないって思ってましたね。


―さすがだね。アフターコロナはいろんなところで話題にのぼるけど、ぶっちゃけどんな風に感じてますか? 

コロナになってから、企業の資産価値の算出が増えているらしいんです。このタイミングで手放そうかなと、いろんな業界で事業承継が進んでいきそうですね。

そうでなくても、コロナはこれまでのしがらみから脱却するきっかけになると思っています。リモートでできることが増えて、「オフィスっていらなくない?」「中間業者を入れる必要なくない?」って気づいたところも多かったはず。変われるかどうかはその企業次第なのですが……。


―こういう時こそ企業の本当の力が問われそうだよね。

人や教育の部分も、今まで以上にいろんな課題が出てくると思ってます。人への投資ってすぐには効果が現れないじゃないですか。でも自分の代で評価されなくても、子の代、孫の代など後世に必ず活きてくると思うんです。

僕自身も「後世の人=これからの若者」のためになるようなことをしたいという志を持っていて。だからこそアフターコロナを生きる上で、もっと人を育てる仕事や、事業に深くコミットできるようなことに注力したいなと思っています。

―ほうほう、具体的にいうと?

例えば、福井はワンマン社長が経営する中小企業が多いですけど、それぞれの分野で得意な人たちがチームを組んで会社を経営するのもありじゃないかなと思っています。リスクも分散されるし、得意な人がやることでパフォーマンスも上がり、会社自体が強くなる。若い世代のためにも、これからの経営や働き方の新しい選択肢をつくれたらなと思っています。


―大連くんは採用に関することもやっているけど、若者も就活が思うようにできなくなって先行き不安に感じてるんじゃないかなと思っていて。

たしかにまだまだ不透明なので怖いと思うんです。でも僕が同じ状態ならきっとワクワクするんじゃないかな。ある意味、コロナで環境がリセットされたので、今みんなが同じスタートラインに立ったというか。逆に今こそチャンスだと思うんですよね。

―すごいなぁ。どうやったらそんなポジティブに考えられるの?

うーん、「事実と解釈を分ける」といいと思います。今だと「事実」は”コロナウィルス”で「解釈」は”不安という感情”だと思うんですが、どういう解釈を持っても事実は変わらないわけで。僕自身もどうせならこのコロナを「心を鍛える時期」にしようと思って、自分の感情と向き合うことで心を整えていきました。


―なるほど。どんな心境でもコロナである事実に変わりはないし、どうせならポジティブに考えたいよね。

そもそも不安っていう感情も実はポジティブなことなんですよ。たとえば、大人が「今日出かける時、上手に靴履けるかな。不安だなぁ」とは思わないですよね。それは、"できないとは1%も思っていない"から。100%できる時や100%できない時には、不安を感じないと思うんです。

不安はできるかもしれない、できないかもしれないっていう時に現れる感情なので、逆に「1%でも可能性があるんだ!」と思うと勇気が湧いてきませんか?

―それはめっちゃ勇気づけられる!

不安という感情にとらわれると身動きが取れなくなりますが、「できる方法がある」って解釈できれば、行動に結びつけられると思うんです。これから先もどんなことが起こっても、乗り越えられる鍵になるはず。これも自分なりの心の整え方ですね(笑)。

(雑談終わり)

コロナにかかわらず、仕事、家庭、育児……いろんなシーンで不安はつきものですが、ちょっと視点を変えるだけでこんなにも心の持ちようが変わるのか、と霧が晴れたような雑談でした。誰よりも私がこの雑談で一番勇気づけられたのかもしれません(笑)。大連くんのアフターコロナに向けた挑戦も楽しみです!

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