サンセット延焼

辺り一面茜色に焼けて
私も焼け始めたところ
どこからか鳥の鳴く声
はじまりの来る時の音
本当に身体の髄までも
心の深淵の闇の闇まで
明るく燃えて迚も熱い
誰かの所為か知れない
稲穂の先から出た焔に
翼竜の羽搏きが茜の空
空気を送り益々燃える
この時を待っていたと
川のせせらぎも山際も
地の底と同じオーラで
轟々と沸々と揺らいで
一つのものになり行く
ずっとお休みを言えず
昼夜も無くなっている
青い色が懐かしくなる
静かな夜が凄く欲しい
星の瞬きは掻き消され
太陽も月も葬り去られ
何もかも茜色に見えて
貴方を只思い出してる
さようなら九月の雨よ
さようなら八月の海よ
さようなら五月の燕よ
さようなら三月の花よ

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