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DENKI GROOVE THE MOVIE? 12/26(土)公開

 今は平成27年です。つまり、平成が始まってから27年たったということ。27年あったら、一つの歴史が作られるのに十分な時間である。「昭和史」どころか「平成史」がもう書けるということ。で、私が初めて目にした「平成に始まる」歴史ドキュメンタリーがこの映画。電気グルーヴ結成25年の記録映画は、立派な平成の歴史映画でもあるといえる。もう平成は振り返るほどの積み重ねがあって、その文化の部分に、電気グルーヴは独自かつ重要な貢献をして来たということ。そして私が「平成」という時代の積み重ねに今まで気がついていなかったように、電気グルーヴという存在にも気がついていなかった。「え、ピエール瀧? オラフの人だよね? 他にも映画いっぱい出てるけど。電気グルーヴのメンバーだったんだ。で、電気グルーヴってあの『Shangri-La』の? うん、あの曲はすごいよね、私でも知ってるし」、てな具合だ。あ〜この反応こそ、電気グルーヴの狙いどおり、なんだわきっと(笑)

 『Shangri-La』を、メンバーの石野卓球氏は「ドリカムを聞くような人たちが好きそうな曲を作った」などと憎まれ口を聞いているそうですが、それにしてもすごい曲ですよね。忘れられないもの。当時のメンバーだったまりんが「あの曲ができたときに手のひらに汗かいてきらきらしてた」って映画の中で証言しているのですが、その興奮はわかります。

「日本にロックンロールが根付くのもラップが根付くのも長い時間がかかったけど、テクノだけはあっというまだった、電気グルーヴがその仕事をしたから」。映画の中でインタビューイーのひとり(音楽雑誌の編集長だったと思う)がそう証言していたが、なんかこう、iPadを全然すごいものだと思わない、生まれたときからあるのが当たり前の世代があるように、西洋生まれの音楽を全然特別視しない、自然にあちらにも進出しちゃう世代というのがある。イエロー・マジック・オーケストラぐらいだと、どこかにオリエンタリズムがあってそれを西洋の人がありがたがった気がするけど、電気グルーヴの活動スタイルを見ていると、全然垣根がない(世界共通のバカ騒ぎ?)。きっと、そういうのが「平成」なんだ。電気グルーヴのお二人はもろに私と同世代で、その生育は「昭和」だったんでしょうけど、彼らが貫いた「俺たちの路線」が、彼らを平成につれていったんでしょうね。

なんだかすっかりおばさんの感想になってしまった。

 2015年12月26日(土)全国ロードショー映画公式サイト http://www.denkigroove.com/themovie/

(写真は公式サイトよりお借りしました)。

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